秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

2017-01-01から1年間の記事一覧

一生懸命のその先

「一生懸命なんて、最低限の庶民のルールだろうが! そんなものひけらかして、自分はがんばってますなんて、くだらない言い訳してるんじゃないだろうな!」 正確ではないけれど、つかこうへいの名作『熱海殺人事件』にそんなセリフがあった。 つからしいアイ…

たて・よこ・ななめ・右左真ん中・その向こう

視点の取り方で世界はいろいろに違ってみえる。 だが、それはおかしいことでも、いけないことでも、まして、不思議なことでもない。 なのに、ぼくらは、どうしてもいろいろな視点とそれゆえにもたらされる、多様な意見や異なる考え方を受け入れたがらない。 …

そのためなのだ

三世帯同居の家でもない限り、高齢者の姿やふるまい、言葉が日常的な時間からすっかり遠くなっている。 かつて、老い行く姿と死は生活としてあった。家や土地の普通としてそこにあったからだ。老いと死を含めて地域があったからだ。 だが、いまでは、それら…

くじけて強くなるんだよ

世の中は、大義という名の名目で動いている。 自分には道義がある、事を起こす道理がある。自分という個人で覚束ないときは、集団や組織、地域、社会、国家のそれに置き換えて、大義を主張する。 だが、軸にあるのはあくまで、自分のそれであり、自分が属す…

美しい顔をした悪意

三島由紀夫は「美しい顔をした悪意」という言葉をよく使っている。 三島の小説世界には、感触がない。感触を伝える小説の技巧を意図して削り、文楽や能のように、微細な所作やふるまい、視線の中でそれを伝えようとする。 その二次元世界の中では、「美しい…

誇らしいことだ

ぼくらは外見や社会的な地位とか職業、学歴や収入といったもので人を値踏する。本人ばかりでなく、親や家族のそれを見て、当人の価値を決める。 あるいは、過去の経歴とか、実績とか、周囲の評価といったもので人を判断する。 場合によって、その人が努力し…

あなた次第

いまでは何か特別の用件でもない限り、自分の育った街に帰ることはない。 それでも、前もって帰省の連絡をすると、高校時代の悪友たちが数人集まってくれる。これといって話すことがあるわけでもなく、互いの近況を少しばかり話すと、あとは高校時代のやんち…

踏み絵

ぼくらは、いま「踏み絵」の時代を生きている。 味方か敵か。同じか同じでないか。仲間か仲間ではないか。自分たちの世界のものかそうではないか…。 いま話題の政治の世界の話ばかりではない。いや、政治がそうなのは、ぼくらの生活、家庭、地域、社会、もっ…

選択

なにかしら、どこかしら、いまのままでいいわけがない。おそらく、多くの人がそう思っている。 既存の政治、マスコミ、制度やしくみ、価値。それがどうしようもなく劣化し、老朽化して、すっかり、ぼくら庶民生活の実状から遠く離れていると感じてる人も、き…

対話しない人たちの世界

ぼくは子どもの頃から気づいていた…。 大人たちは子どもと会話ができないこと、していないこと。していないことに気づいていないこと…そして、していると思い込んでいること。 大人の常識に従順な子どもたちは、従順でない子どもたちのことを何ひとつわかろ…

脳をつなぐ自由

理想や夢を語るとき、あるいは、未来のビジョンやプランを語るとき、進めるとき、そこに年齢は必要なのだろうか。 あるいは、立場や帰属しているもの、肩書きとかキャリアとか、経験とか、重要なのだろうか。 ぼくは、そういうまどろっこしいものがない方が…

おかしなコミュニケ―ション力

ぼくは、たまに話上手だとか、聞き上手だとかいわれることがある。コニュニケ―ション力があるとか… だが、ぼく自身はそんなふうに思ったことも、それを自分の取柄だと感じたことも、そうだなーと思ったこともまったくない。 自慢じゃないが、もともとぼくは…

月をめでる

これからの季節、月が美しくなる。 ぼくは快晴の夜に浮かぶ月よりもやや雲間にある月が好きだ。透き通る、おだやかな空気の夜。ほんのりとたなびく雲のはぎれが月の光を受けて、青白く漂う向こうに、凛と浮かぶ月だ。 この間、何かの話の流れで月の満ち欠け…

君の名は…

ぼくは福島の薄磯海岸の街の被災を目にしたとき、それが、それからのぼくの人生や生活にこれほどの変化を与えるものだとは想像していなかった。 事前に知っていったわけでも、意図して訪れたわけでもないそこには、ぼくの心を強く引き付ける美しい海があった…

覚悟

身をゆだねてみる…それは簡単なようで難しい。 身をゆだねるというと、おいおいそんな主体性のないことでどうする、自分の道は自分で拓くもんだろうという人がきっといるだろう。 あるいは、そんな他人まかせ、人頼み、運まかせでどうするんだと諭す人もいる…

不快指数

この夏、東北の被災3県の日照時間が異常に低い。先日いった相馬では、この夏、11%少ししか日照がなかったと有機自然農法に取り組む若い農家青年から聞いた。 豪雨や長雨で田んぼも畑も水びたしの状態が続き、稲や野菜の成長が阻害され、このままでは収穫も…

みちびきとヘンタイ

今日、「みちびき」という衛星がまた軌道に乗った。 あとひとつ、打ち上げられ、4つの衛星みちびきが、これからぼくらのナビや気象や防災情報を新しく、より確実にしてくれるらしい。 みちびき…日本的で、いいネーミングだw ぼくは、なにかの縁で訪ねるこ…

小さな島国の小さな人たち

Our nation is small island, but We are not small men. かって、あるイギリス首相がドイツとの戦争の折り、国民に投げかけた言葉らしい。 昨夜、NHKスペシャルの終戦記念ドラマ「返還交渉人 沖縄を取り返す」の中でこのエピソードが登場した。 主人公の外…

公を取り戻す涙

ぼくらの社会は、もうずいぶん前から…おそらく、20年以上前からだけど、公(おおやけ)の力が途轍もなく、希薄になっている。 少子高齢化がもっとも大きな要因なのだけれど、それらへの対策が現実にそぐわないばかりか、公の希薄化という視点で取り組まれて…

のっかろう

「Man of La Manchaラ・マンチャの男」のセリフで好きな言葉がいくつかある。 「事実は真実の敵なり」…。 事実は、こうである…と、あたかもそれが真実であるかのように語られる言葉には、多くのウソやまやかしがある。そこには、真実から人々の目を背けさせ…

パイオニアの狂気

世の中を変える力、人でありたいと願うことはいけないことじゃない。 世の中と大仰なことでなくても、自分のなにか、生活のなにか、仕事のなにか、地域のなにかを変えたいといった思いはだれもが抱くものだ。 だが、それぞれに変化を求め、それぞれにパイオ…

悲鳴

今日も地球のどこかで、世界のどこかで悲鳴が聞こえている… それは、人の悲嘆のそれかもしれない、断末魔のそれかもしれない。あるいは、生死のそれではなく、生死をおびやかされ、いまを明日の見えない、それかもしれない… あるいは、生死は免れても、人と…

不思議の国

国会議事堂に仕事で入ったことのある人は少ないだろう。議事堂内の会議の席で、召集された中央官庁の官僚たちの前で話をした経験のある人も少ないだろう。 なにかの偶然で、そんな席で発言させてもらったことがある。 驚いたのは、ぼくが発言を始めた瞬間、…

海に向かって

ぼくの記憶の海は、高校生のとき毎年夏、演劇部のOB、先輩、同輩や後輩たちといった志賀島の勝馬海岸だ。築港埠頭から連絡船で博多湾を抜け20分、そこからバスで10分。バスセンターからの直行バスで50分程度だった。 玄海灘にある勝馬海岸は、外海だから、や…

あのね、あのね…

「あのね、あのね…」。彼女は、いつもぼくに何かを話そうとするとき、決まって、そういった。 何かすごくいいことがあったとき、すごくおもしろいことがあったとき…そして、すごく悲しいことがあったとき、どんなときでも、話す前には、そういった。ぼくが、…

物語のはじまり

子どもの頃、青空に浮かぶ雲をみて、それが動物の姿や人の顔、姿に見えて、それを見続けることに、退屈もしなければ、飽きることもなかった… 天の川や月を仰ぎ、どんなに走っても、自分についてくる夜空の不思議に夢中になった… 子ども同士が集まると勝手に…

自分色 自然色

自分色に染めてしまいたい… 征服欲、支配欲、独占欲…大小の違いはあれ、ぼくらの心には、だれかを、なにかを自分の考えや嗜好と一致させたいという欲求がある。 場合によって、それが昂じると、一致させる、同調させるだけでなく、自分のそれとまったく同じ…

(^^♪やめられない 止まらない

♪やめられない、止まらない…。それは、カッパエビセンだけのことではない。 ぼくらの脳とからだは、やめられない、止まらないものだらけだ。 好きなことはずっとやっていたいし、好きな食べ物、好きな場所、ファッション、スポーツ、音楽、映画、美術、本…好…

底に落ちたポトリ

ある映画にこんなセリフがあった。「人が心に思うことはだれにも止められない…」。 確かに…。 それはよした方がいいとか、それはいいことじゃないだろう…とかいわれても、心のやわらい底にポトリと落ちた感情は、そこに落ちたと、気づいてしまうと、勝手に心…

オレはオレ 私は私

オレはオレだから…。私は私よ。人は、それをしばしば、生き方の流儀や作法と勘違いをする。 だが、やさしい見方をしてあげれば、人が他者ではなく、そう自分に強く軸足を起き、オレ、私を押し通そうとするのは、受け入れてくれよ…とか、いまの私をそのまま受…