秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

吉里吉里国とバランス

井上ひさしの「吉里吉里人」が出版されたのは1985年。社会が成熟期を迎え、バブル経済が始まった頃だ。 東北のある村がある日、日本国から独立する。 もう、都会に迎合し、都市へ人、物、資源を提供するのをやめる。人口わずか4200人の村、吉里吉里国は、あ…

文化的なるものの精神

大坊さんの珈琲が飲みたい…。いや正確には、あの大坊珈琲店の茶室のような空間でぼんやりしたい…。 珈琲が飲みたくなるたびに、常にあの大坊の店の匂いがいまでも、毎回、鼻に、脳に蘇る。 と、数週間前、知人が山口市在住の方から、大坊珈琲店で修業して山…

明日への距離

次の時代、次の世代になにを残せるか。そして、次の時代を生きる次の世代は、そのまた次の世代になにを残せるのか。 世代をいいかれば、社会といってもいい。 その時代に何をしたか、何をえたかではなく、もっとも大事なのは、そこだ。いまある自分の時間や…

代弁者でも代表者でもなく

統一地方選挙後半戦も明日まで。日曜日は投票日だ。外苑東通りに面した、うちの事務所の前は選挙カーでかまびすしい。 選挙のたびに、いつも思うことがある。いや、選挙をやる政治家だけではない。 いまの時代、自分の業績や実績をやたらにアピール人たちが…

神話と三文小説

世の中には、UNTOUCHABLEがある。 禁酒法時代、現在のFBIが誕生するまでの史実を映画化した『UNTOUCHABLE』は、警察・検察・裁判官まで買収、恫喝し、司直が手も足も出せなかったカポネの領域に果敢に挑んだエリオット・ネスを描いている。 だが、司直の手が…

社会の広さ

組織や集団、人の輪に参加する、つくる上でも、そのための常識や規範をかつては、一から教える必要はなかった。 それがいまでは、人が集合する場におけるふるまい、果たすべき役割、どう人の輪の中で、身を処すかを社会に出てから訓練しなくてはいけない。企…

凛として律するもの

NHKスペシャルが戦後70年を検証する番組「ニッポンの肖像」をスタートさせた。 第一回は、日本人と象徴天皇 “戦後はこうして誕生した” 第二回は、その続編。 NHKの報道がすっかりこれまでと姿を変えていく中、いま世間にはびこるバイアスと欺瞞に満ちた、歪…

下駄は預けない

地域社会の問題、地域住民の生活課題…。多くの人が、大都市と地方では違う。そう考えているだろう。 だが、そもそも、大都市や都市部と地方を分けて考えること自体、自らの地域の問題や課題をしっかりと見ているとは言えない。 確かに、都市には都市の課題、…

したり顔と謙虚

たとえば、介護の現場でも、子育て支援の現場でも、なにかのサポートに従事している人たちが見えている現実と国政、地域行政が見ている現実とは同一ではない。 同じものを見ているのだ。だが、その見ている角度が違う。深さが異なる。それが、国政や行政の手…

画策

1960年代後半、政治紛争の時代。JNNニュースの初代キャスターに田英夫さんがいた。後に、社会党から出馬し、政治家に転身した。 田さんは日米安保闘争、ベトナム戦争への対応で、当時の佐藤首相の政策をジャーナリストという立場で分析し、報道マンとして批…

全力疾走

これまで、どれだけの人を悲しませ、不安にさせ、傷つけ、そして、失望させてきただろう… 同時に、これまで、どれだけの人に喜びを与られ、励まされ、救われ、そして、助けられてきただろう… あるいは、意図してであるか、本意であるか、不本意ではあるか、…

死への想像力

ある日、ある時、突然にいのちを断たれる。突然死、事故死、事件死、災害死…。それは、だれにでもありえることだ。 だが、頭では、そうだろうな…そういうこともあるかもな…などと想像はできても、それが現実的な実感として感じることは、身近にその危機を体…

日常の復権

難しい話や面倒な議論は避けたい…。この問題先送り、現状や現実から顔をそむけ、自分の生活の枠内にとどまろうとする傾向は、、多くの日本人に共通のものだ。 だが、いくら考えなくてはいけない問題や現実から顔をそむけても、あるいは、事なかれ主義で、現…

公と私

なにかをこの世に残したい。自分が生きた足跡を示したい。それらによって社会的な評価をえたい。 才能のある人たち、あるいは出会いに恵まれた人たちは、それが可能かもしれない。 だが、多くの人たちにとって、広く、それができるわけではない。そこで、人…

白い笑い声

昨夜、BSで「尾崎豊23年目の真実」をやっていた。亡くなって3年後、私も尾崎の作品を手がけたこともあり、思わず見てしまった。 後に系列会社の代表取締役になった、宝島社のKさんが、当時、まだ角川にいた見城さんやSONYミュージックから尾崎が再出…

見つめ直してもらいたい

統一地方選挙まじかだというのに、国民の関心が薄い。 国政選挙に関心が薄いのも困るが、地方選挙は様々な地域的課題を考え、意見表明できる生活に直結する選挙だ。国政と違い直接選挙で都道府県の長、市町村長を選択もできる。 確かに、国政における党派会…