秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

2019-01-01から1年間の記事一覧

もがき方のヒント

新規サイトに移動した最初に、なんとなく書く。 三島由紀夫の文学にはふれても、三島がなぜ、あれほどに土俗的な生活文化、通俗と崇高さの混濁に執着したか、正確にいえば、憧憬を強く抱いていたかを知る人は少ないだろう。 演劇的にであれ、民俗学的にであ…

自己責任という名のカッティングオペレーション

貧富の差を語るとき、自己責任という言葉がこの国では付きまとう。付きまとうだけでなく、まず、先に出るのは自己責任だ。 顕著になったのは、言うまでもない、小泉政権時代。アメリカ、イギリスから始まった新自由主義の潮流をこの国にいわば強引に導入した…

主役はだれかなのか忘れてはいないか

女性の参政権がこの国で認められて、まだ、わずか70年しか経っていない。戦後、日本国憲法が誕生してからのことだ。かのイギリスでさえ、わずか100年程前。 それまで、女性は政治にかかわることもできなければ、自らの権利や人権を主張することもできなけれ…

承認という病のバイオハザード

かつて、ぼくらの思春期の承認は、先生から褒められることでも、親から認められることでも、成績がいいことでもなかった。 それらはあった方がいいには決まってるし、ぼくらもあった方がいいだろうなとわかっていた。 だが、幼少期から思春期前期まではそう…

数学なんて苦手~とかいってる場合じゃない

人類は文明といわれるものが誕生する以前の古代から数学を使っている。石器をつくるにしても、獣を襲うにせよ、火を起こすことにも数学や物理学が関与している。 文明の誕生と発展に、数学は欠かせないもので、ぼくらが話す言葉、言語も数学だ。音楽も、演劇…

ぼくらくらいなもの

数人の高校生たちが始めた環境保護を訴える運動。それがいま欧米を中心に世界の高校生に広がっている。 ハリウッド女優や政治家のインターン女性が、勇気を出して声を上げたセクハラ被害。いまはme too 運動として世界的な言葉になった。 格差への反発はパリ…

どこへ行けるというのか

『オリンピックの身代金』(KADOKAWA刊・奥田英朗著)という本がある。テレビドラマ化もされている。 昭和39年の東京オリンピックを舞台にした、いまでいう爆破テロ計画を企てた男のノンフィクションだが、その背景に描かれいるものは事実だ。 当時、日本中…

あなたは世界から愛されているか

世界から尊敬され、信頼され、愛される国であってほしい。そういう日本でありたい、国民でありたい…。そう願わない人はいるのだろうか。 日本国憲法が目指したのは、戦争の過ちを犯し、自国民はもとより、アジア諸国を中心に世界に多大な苦難を与えた日本が…

風評という言葉はいらない

福島県が退去を拒否している自主避難者の避難住宅(借り上げ)からの退去勧告を行ったことが弱者切り捨てのように叩かれている。 ここに来るまで、1年以上かけて、県の担当職員、自主避難者の自治体職員が自主避難者一人ひとりに国の予算の期限切れについて…

アップデートできない国

多数派であろう。そして、できれば、多数派の中枢にいたい。 いまに始まったことではないが、まるでDNAに組み込まれたもののように、多くの日本人がそう思っている。 そう生きることでこれといった変革や改革も起こさず、ただ以前あったシステムや制度、形式…

はぶかれるのがこわいチキンハートの国

自分の弱さや弱みをさらけ出すというのは容易なことじゃない。この世の中の多くの過ちや間違いといったものは、大方、それに起因していると思う。 体面や面子、体裁といったものの背後にあるのは、それだし、虚勢や虚言といったものもそれに起因している。 …

砕けたステンドグラスたちの壊れた承認

ぼくらは砕け散ったステンドグラスのような存在だ。 片割れのいくつものステンドクラスがそれ自体、自分という存在のすべてを表象できないように、ぼくらは、ぼくであることの感触を得ることができないでいる。 それでいながら、破片の一つひとつの存在、ど…

信じられる大人の姿

たぶん、ぼくがひねくれ者だからだろう。 この時期、テレビの震災関連の報道特集や慰霊特番、スペシャルドラマといったものにひどく違和感を覚える。 人の悲しみや痛みは他者が容易に共有できるものではない。当事者でなければわからないこと、わかっていて…

大人がいなくなった社会

芝居や映画の世界では常識とされていた、レンブラント照明。 オランダの巨匠レンブラントの絵画から引用されていると御存じの方も多いはずだ。 あるいは透明感に満ちたフェルメールの窓から差し込む光…。 中世や近世の絵画はモチーフとされる表象の一つひと…