秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

2020-01-01から1年間の記事一覧

あなたと私のダンディズム

かつて、ダンディズムという言葉があった。 いまでは死語だし、ジェンダーからいっても、男性に使われて来たそれは、使われた方によって、いまでは男性性や女性性における差異を助長し、差別になるものだと言われるだろう。 だが、ダンディズムを言い換えれ…

青山のこと

所用で表参道にいった帰り、ふと思い出して南青山三丁目のアートスペースまで歩く 乃木坂から歩いてすぐのところだ 南青山の住宅地の路地裏には、こじんまりとしてはいるが、それぞれの分野の逸品、一流品、希少品を扱う店が点在している 知る人ぞ知るという…

Hold Up Stage Up

私、悪くないもん! その言葉が必ず先に出る人がいる。出ないまでも、まず、相手への批判や文句、ケチをつけることから始める人がいるものだ 仮に、相手への批判をするにせよ、論理的にそれができれば、まだましだが、論理以前に「自分は悪くない」を前提と…

なにひとつ、未来は手に入らない

コロナでいろいろなものが変わりきっと大きく変わっていくだろう スローライフにも スローフードにもライフスタイルそのものが自然を消耗したり心を消耗させる生き方から そうでない生き方の選択があることをぼくらは知った 自動車業界はハイブリットから電…

もう一度考えてみるといい

三里塚闘争のとき…といってもわからない人もいるだろう成田国際空港開港阻止闘争=三里塚闘争という空港建設反対闘争があった いまはとある大学の教授をしている親友が仲間が止めるのもきかず、反対派農民の農業支援=援農と闘争に参加した 何かあったときの…

手が回んないんだから、仕方ないでしょ

パニック障害という言葉を聞いたことのある人もいるだろう。障害の初期は動悸、発汗、めまい、窒息感(過呼吸)、胸の痛み、吐き気といった症状が出る。 ひどくなると、周囲のリアリティが失われ、テレビや映画のシーンを見ているような感覚に襲われる。風景…

色男のいらなくなった国

「色男、金と力はなかりけり」と江戸ではいわれた。いまさらながら、うまいこと をいったものだと思う。 金のためだけに心血注げば、それは当然、顔も険しくなるだろう。商業資本主義の基本というのは、どれだけ安い労働力や資材で物やサービスを生産、提供…

神話の国のアリスたち

ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』(1865年刊)『鏡の国のアリス』(1871年刊) 初めて絵本を読んだとき、不思議でしょうがなかった。描かれている世界の現実にはありえない、不思議さではない。 迷い込んだ世界で、次々に脈絡もなくアリスを襲って…

デクノボーになれないデクノボー

この世に生まれてきて、自分が生きたという印がほしい。証を持ちたい。それを知る人、認める人がいてほしい。できれば、たくさん…。 人は生まれながらにして、自己承認の欲求を持っている。 それは、乳飲み子や幼児がそうであるように、生存のためであり、思…

あうんの呼吸と知らない素振り

初対面の場合は一層だが、親しい関係の他人であっても、あるいは家族のように頻繁に顔を合わせる人間同士でも 人は常に、人の素振りに目をやっている。 相手はどのような人なのか、何を考えているのか…。言葉にはならない、素振りから、その人の資質や性分、…

夜空ノムコウ

子どもの頃はやたら怪我をする。いまの子どもは山や川で遊ぶこともないので、ぼくらの子どもの頃ほど下草や小枝、石に転んで切り傷をつくるということも少ないだろう。 些細な切り傷であれば、すぐにかさぶたができて、治る。ところが、これがかゆい。治りか…

責任を痛感しております

時間と記憶(空間)の問いは、ソクラテスの昔からあった。そこにギリシャ悲劇が誕生したことも当然のことだ。ぼくは演劇という窓を通して、それを学び、実感してきた。演劇は身体を通して、時間と記憶をどう観客と共有するかの芸術だからだ。 たとえば、ソク…

ダブルクラッチ

物事が人との協働作業がうまくいっているとき、ぼくは、いつもこんなふうに思う。 「ああ、いい具合に歯車がかみ合っているなぁ…」。 歯車がかみ合うというのは、こちらと相手の願いや期待、希望が共有され、同じイメージを共有していることが感じられること…

しがみつく

中学生の頃、本の虫だったぼくが夢中になった作家のひとりに、フランツ・カフカがいる。 思春期の中学生をカフカに夢中にさせたのは、そこに描かれていた「正体不明の不安」「自分という存在の不確かさ」だった。 20世紀後半から21世紀のいま、そして100年に…

パブロフの犬

「パブロフの犬」という言葉が中学のとき、クラスの中で流行ったことがある。 体験的で強制的な学習によって、行動が習慣化、パターン化されるという条件反射を解明した、ソビエトの生理学者イワン・パブロフの実験のことだ。ぼくらは、習慣化され無意識に反…

困ったちゃん 困ったくん

世の中には、困った人がいる。 かつて、それはKYなどともいわれた。周囲の空気が読めない人ということだが、いまどきの困った人は空気が読めないだけではない。 やたら、正義を振りかざす人やさして知識もないのに、あるがごとき錯覚をしている人、表層的…

縺れ糸を解く

子どもの頃、なんの糸にせよ、糸で苦労した記憶がある。 ぼくは生来とても不器用で、細かなことがとても苦手だった。 ご飯を食べるときも「食べる先からこぼして~!」と母によく叱られたものだ。 これはいまに至ってもまったく治ってない。ぽろぽろこぼす。…

ソーシャルディスタンスとウェルフェア 超克の時代

他者との関係性をどう生きるか…それが有史以来、人類が絶えず直面してきた課題だ。 人と自然、人と人、人と集団、人と地域、人と社会…。その関係のあり方は、国家形成に深く関与している。これらの合意された関係性で国家はつくられているからだ。また、関係…