秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

バレリーの声

イラク戦争直前、私は9.11グランドゼロにいた。その見学通路の壁に、見学に来た人々が書いたメッセージがいくつもあった。その中に、だれが書いたのか、“forgive us”という一際大きく書かれた文字をみつけた。 3000名以上が亡くなったグランドゼロにある、そ…

本当の教育

いろいろな場で社会的な問題や人権の問題について話をするとき、講演やパネルディスカッションのあとの質疑応答で、様々な質問や意見がある。 「いじめや差別、排除や暴力…いろいろな問題はあるが、人間には、それを回復し、乗り越えてえいく力があるのだか…

新しい風

じつは、いま、いろいろな仕組みが本来あるべき姿はどうなのか。いまのあり方でいいのか。そんな問いにさらされている。 テレビの世界では、もうずいぶん前から良質のドラマの制作が難しくなっている。コミックやアニメ、小説などの原作本がいけないというわ…

愛国心の育て方

この世の中に、そして、いかなる国においても、統一された愛国心などというものはない。有史以来そのようなものが歴史上存在した事実はひとつもない。 愛国心に普遍的な定義もなければ、条件づけもない。それがあると考える人がいれば、それはその人たちの幻…

日本の面影

何かの都合がない限り、ほぼ毎日私が走る、ジョギングコースに青山霊園がある。 その中心部から246へ抜ける桜並木の途中に、明治期、海外から英語教授や技術教育、医療衛生教育などのために日本に渡来した外国人の集合墓地がある。いわゆる、当時、お雇い外…

そもそもは近代から

先日、山口県の光市の出身だという若い起業家の方が訪ねてこられた。白河を中心に、福島の伝統文化、伝統工芸の再生をミュージシャンやアーティスト、アスリート、私たちのようなNPOと連携して実現したい… 意欲も着眼点もおもしろいと思った。検討には少し時…

憲法はどうやって生まれたのか

日本国憲法は占領下で占領軍に押し付けられたものだ。だから、日本人自らが勝ち取り、発案したものではない…。 多くの改憲論者があたかも真実のように大声でそういう。そういう人たちは、憲法を語る前にもっと勉強していただきたい。 戦後、新憲法草案を作成…

対話

法律や制度を学ぶ。知る。理解する…。じつは、私たち日本人の多くがそれを苦手としている。 私たちは、市民自らの手で制度変更やシステム変更を果たしたことが希薄だからだ。 よく、「そんな難しいことはよくわらかない。わからないから専門家や先生に任せる…

心の事情

人は自分の心にも、他人にも嘘をつく。 嘘をつかなくていられない、心の事情がある場合もあるだろう。嘘をつくことを嘘と気づかずにつくこともあるだろう。よかれと思ってつく嘘もあれば、打算や計算があってそうすることもあるだろう。 だが、嘘はすべから…

未来を解く数式

人は、過去を美談に変えたがる。人は、未来を悲観したがる。 未来を悲観したがる人ほど、過去のつくりあげた美談にしがみつく。未来を新しい数式で解くことができないからだ。 つくりあげた美談の数式では、未来の未知の数式が解けない。当然のことだ。過去…

家族の崩壊

一見、複雑に思える事柄や齟齬や対立のある事象を考えるとき、もっとも的確な対処は、情感や情緒、心情を排することだ。つまり、感情的なものを避けてしまうことだ。 物事には、物事それぞれに、事象には事象に、本質がある。それを理論や原理という基本とな…

二つの想像力

想像力があるかないか。それが未来をつくれるか、つくれないかの分かれ目になる。 だが、想像力でも未来をつくる想像力と未来をみえなくする想像力の二つがある。 有史以来、人類の成長発展には、生物学的な意味も含め、よりよく生きたいという欲求が生む想…

みなトーク

もともと港区にこだわりがあったわけではない。 ただ、高校生の頃からIVYにはまり、その情報発信基地だった青山は素通りできない町になった。折しも、当時、青山には最先端の文化を発信する店舗やホール、出版社といったものが次々に登場していた。 その一方…

自らに問う

既存の価値や体系に異議を唱える。自分たちの意志表明を理想と信念をもって訴える。 そうした行動や発言をする人たちを多くの人が生理的に受け付けなかったり、否定的だったり、あるいは毛嫌いする。そして、社会にある問題や矛盾、課題から撤退し、そのため…

しゃんしゃんしゃん

先日の新国立競技場建設へ向けた有識者会議。 読売の世論調査で8割の国民が、建設見直しを表明した矢先のことだ。建設費がかかり過ぎることへの検証を求める声も、その内訳や詳細な計画書が提示されていないことへの不信も、対案となる新しい立案や計画の提…

未来の見える七夕

子どもの頃、親がやってくれた年中行事。その体験と記憶を持つ人は幸せな人だと思う。 大晦日の年越し蕎麦に始まり、正月の朝のお年玉と家族そろってのお雑煮。ひな祭り、母の日、父の日、春のお彼岸、節句、七夕、お盆、中秋の名月、秋のお彼岸、クリスマス…

私のための盂蘭盆会

いくつかの新しい挑戦といくつかの以前からの課題と、いくつかの思い残しと、いくつかの形にしたい思いとが、いつも私の中にある。 変わらなくてはいけない自分と、振り返れらなくていけない過去と、向き合わなくてはいけないいまがあり、目指さなければいけ…

導火線

私は生来、怠け者だ。一生懸命とか、ひたむきにとか、ひたすらにとかいった生き方や暮らし方を好んではいない。 大学時代に一度は、学者や研究者の道を選ぼうとしたくらいだから、好きな研究や学術の世界にいられれば、多くの人と交わらず、自分のためのだけ…

苦しみと喜び

社会貢献や社会事業に取り組むのは生活に余裕のある人。よくそうした表層的な言葉を聞く。 仕事や生活に追われていては、そんな時間も金も使えない。確かに。 だが、寄付やカンパといった類のものではなく、自らの体を使い、時間を使い、金を使っている人た…

ブラックホール

この国では、この数年、左派、左翼や右派、右翼、あるいはリベラル保守といった言葉が飛び交っている。 いまどき、そのような簡単な仕分けとレッテル貼りが通用している国や社会というのは、いかに民度が低いからを自らさらしているようなものだ。ことわって…