ああいえばこういう。こういえばああいう。 とかくに、人の言動に異論、反論、ツッコミをやる人は、そういわれる。どこかで、ぼくらは、人と違う主張、意見、考えを語る人に、うっとうしさや煙たさを感じ、スルーしたり、無視したり、ときには、排除したりし…

人の心は、地上から仰ぐ、月のようにおぼろげで、覚束ないものだ。 人の心に限らず、ぼくらが普段、認識している、あらゆる事象も、事物も、じつは、おぼろげで、覚束ないものでしかない。かつては文学が、いまでは脳科学や宇宙物理学がそれを証明している。…

ぼくらには、境界線がある。 他者や異性との境界線もあれば、組織と組織、集団と集団、帰属するものと帰属しないものという集合としての境界線もあるだろう。 地域と他の地域、国と他の国、宗教や言葉、生活習慣、食や文化の違いによる境界線もぼくらは持っ…

ぼくらは気づいていない。ぼくらの言葉がいまや物事をとらえるどころか、そこにある真（まこと）をつかみ取ることにも驚くほど、無力だということに。 言葉が費やされるほどに、言葉は潰（つい）えていく…。 そんな時代は、じつは、もうずいぶん前にぼくらの…