秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

2016-01-01から1年間の記事一覧

ぼくの選択

物事が終わりを告げるのは、そして、良しきにつけ、悪しきにつけ、変わっていくのは… ある日突然、訪れるのでない。 すべて、日々の積み重ねと、日々のぼくらひとりひとりの生き方と小さな選択の積み重ねの中にある。 だれにでも経験があることだが、あのと…

分断という名の混濁

いま分断や分裂という言葉をよく耳にしないかい? アメリカの大統領選後、日本のマスコミもよく使う言葉だけれど、そして、海外の報道でも、難民問題と経済問題、貧困、格差を抱え、だからこそ、分断や分裂の回復の必要を訴える言葉がよく使われているけれど…

誇り

このところ、ほかの仕事で時間をとられ、都内、港区での作業が中心ということもあるが、福島の中通り、会津若松にすっかりご無沙汰している。いわきの久ノ浜やそのずっと先の相馬もご無沙汰だ。 幸い、fbで近況を知ることもできるのだが、SNSなんかわから…

ぼくらなのかもしれない

「ウソは泥棒の始まり」。 子どもの頃そう教えられた。幼少年期ほど、大人の目、親の愛情を求め、ほめられたい、叱られたくないから、どこかでウソをつくし、思春期、青年期になるほど、自意識がそうさせる場合が多い。 成人し、社会で生きるようになると、…

Subway Therapy

ぼくらは世界をつかまえたいと思うけれど、じつは、世界をつかまえることも、世界を知ることもできはしない。 つかまえていると思っている世界、知っていると思っている世界。せいぜいぼくらにできるのは、のようなものでしかないんだ。 海外の報道を観てい…

ゆれと二股のなりゆき難民

ゆれが収まらない。日本も、世界も。 ぼくは、ワールドニュースやCNN、ABC、BBCのニュースも観ているのだけれど… 日本だけではなく、地球の悲鳴のように、予測不可能な自然の猛威が地球の至るところに起きている。 符合するように、国際社会のバランスが崩れ…

脳天気な助走

かつて、いじめや子育ての取材ばかりしている時期があった。 札幌の家庭教育団体に取材したときのことだ。ひとりの母親がいった言葉が印象に残った。 「以前は、元気で、運動ができ、明るく、前向きな子どもであってほしい。そして、みんなに好かれる男の子…

筋書

この年末は、あちこちで劇場型の、劇的な筋書のないドラマが生まれている。そう思わないかい? それは、世界が、国が、社会が、これまでと同じでは立ちいかなことを示してくれているのかもしれない。 数学的にいうと、筋書のないドラマというものは、厳密に…

大切なものはどこにあるのか

ああいえばこういう。こういえばああいう。 とかくに、人の言動に異論、反論、ツッコミをやる人は、そういわれる。どこかで、ぼくらは、人と違う主張、意見、考えを語る人に、うっとうしさや煙たさを感じ、スルーしたり、無視したり、ときには、排除したりし…

ほんとの月と正直者

人の心は、地上から仰ぐ、月のようにおぼろげで、覚束ないものだ。 人の心に限らず、ぼくらが普段、認識している、あらゆる事象も、事物も、じつは、おぼろげで、覚束ないものでしかない。かつては文学が、いまでは脳科学や宇宙物理学がそれを証明している。…

一線

ぼくらには、境界線がある。 他者や異性との境界線もあれば、組織と組織、集団と集団、帰属するものと帰属しないものという集合としての境界線もあるだろう。 地域と他の地域、国と他の国、宗教や言葉、生活習慣、食や文化の違いによる境界線もぼくらは持っ…

言葉とふるまい

ぼくらは気づいていない。ぼくらの言葉がいまや物事をとらえるどころか、そこにある真(まこと)をつかみ取ることにも驚くほど、無力だということに。 言葉が費やされるほどに、言葉は潰(つい)えていく…。 そんな時代は、じつは、もうずいぶん前にぼくらの…

おすまし顔のジャックと豆の木

ルーティーンという言葉を最初にぼくらに意識させたのは、たぶん、イチローだ。バッターボックスに立ったときの、あのお決まりの所作だけではない。 アスリートとしての日常を維持し、継続するために、毎日たゆまず、人知れず積み重ねる自分に課したトレーニ…

ていねいな議論

このひと月ほどだろうか、NHKのニュース報道で、政権の取り組みや自民党の総務会、税調、諮問機関の情報を伝えるとき、NHKらしいが、統一して使われている言葉がある。きみは気づいてるかい? 「○○について、今後、ていねいに議論を進めていく予定です…

帰属なきものたちと身体

人の拠り所っていうのは、いったい何なのか。自分とは何者なのか。 ぼくは、高校生の頃、サルトルの演劇の影響もあって実存主義っていう、高校生にしては少し背伸びした哲学にハマっていたことがある。ま、時代としてもそういう時代だったこともあるんだけど…

力学の使い方

この世のあらゆるもの、ぼくらの日々の暮らしを成り立たせている、宇宙の自然にも、ものづくりやアートにも、すべてに力学が働いている… ニュートン力学から宇宙物理学、量子力学、非可換幾何学といった難しい理論や言葉を知らなくても、ぼくらは、いつも力…

記念日とぼくらの生活

記念日。大人になるほどにそれは増えていく。歴史が重なるほどに、それは増えていく。 きみが生まれた日がそうであるように、きみの親や兄弟姉妹がそうであるように、ぼくらは誕生日という記念日に始まり、そして命日という記念日で終わっていく…。 人の一生…

静かな静かな明日への遺言

こんなぼくでも、いや、こんなぼくだからこそ、誠実って何だろうって考える。物事や人に対して、真摯であるということは、どういうことなんだろう…。 信じない人も多いと思うけれど、こんなぼくだからこそ、そんなことがいつも頭を、心をよぎるんだよw ぼく…

祭りのあと先

ぼくが演劇に没頭していたころ、いつも意識していたことがある。それは、演劇の時間の前、そして、演劇のあとの時間のことだ。 演劇の使命は、そのとき、その瞬間、舞台と劇場の時間と空間を観せる側と、観る側が共有することじゃない。あと先の方がはるかに…

ポケモンGOときみたち

ぼくらが毎日暮らす中には、些細で、取るに足りない決め事や約束事がたくさんある。 些細で、取るに足りないことだけれど、それがなくなってしまうと、些細であるがゆえに、かすかなほころびのようにしか思えなかったものが、ひとり自分のことばかりか、人と…

つまらない言葉

申し訳ない話なのだけど、なにかの取材でも、専門の方や何かえらい方への聞き取り調査などでもよくあることのだが… ありきたりで、どこかに書いてあるような、どこかで聞いたような、くそまじめで、あるいは、多少の知識があれば、だれもが指摘しているよう…

望ましい未来

ぼくは、思春期のあるときから、思うようになった。 なにかの判断や決定、自分自身のいま、そして、これからにかかわることを何かにゆだねたり、何かに従って決めるのは、やめた方がいい… だれかや何かに大事をゆだねてしまえば、あるいは、自分が決めても大…

やっつける

正義という言葉はじつにおもしろい。公の顔をしていながら、じつは、とても私的で。ペロリと剥がせるほど無知で。かつ、剥がしたそばから、厚顔無恥さがギラギラと脂切って表に出てくる。 何よりの証拠に、表の正義、見せかけの正義、偽りの正義…云々。正義…

モノローグとダイアローグ

以前、三島由紀夫の文学は二次元の世界なんだって話をきみにしたことがあったよね。 三島の小説に登場する人物が立体性がないこと、まるで浄瑠璃のように、あえて二次元に封印することで、それが逆に三島文学の美を生んでいるって話さ。 三島が戯曲を得意と…

心情過多の時代の選択

心情過多っというものが、ぼくは幼い頃から好きじゃなかった。子ども心にも、そうしたものが実はとても無力で、短命なものだということを直感していたからだと思う。 だから、子どもの頃から、ぼくは、冷たい人、冷めた人間という見方をされていたし、それで…

天地人

「天の時は地の利に如かず地の利は人の和に如かず」。孟子の言葉だけど、「天地人」という言葉でよく知られているよね。 人の和という言葉は、よく使われる言葉だけれど、ぼくがほとんど使わない言葉のひとつ。人の和とは言うに易く、行うに難し。そう簡単な…

気づけるなにか

人には、人との出会いや書物、先人の名言、なにげなく投げかけられた言葉…それが人生の生き方や方向を左右するときがある… きみも小学生や中学生のとき、教師や親、周囲の大人たちからそんなふうにいわれたことがあるんじゃないかい? 小学生の高学年のとき…

大事を示す

ぼくはいろいろなところで、もう10年以上前からいっているのだけれど… 国や社会の制度、しくみ、それを支えている法っていうのは、ひとつの幻想をみなが共有することで成り立っているんだってね。 道徳や倫理、社会規範、通念といったものは、成文化されて…

そうした方がいい

時間がないときほど、学ぶといい。お金がないときほど、だれかのためにお金を使い、身を使い、社会に尽くすといい。 悩みや困難にあるときほど、悩み、苦しみ、悲しみにある人に寄り添うのがいい。寄り添うのがてれくさければ、できることをやってみればいい…

奇跡の人と裸の王様

NHKプレミアで、ダントツにおもしろい連ドラをやっていることは、ぼくの周囲ではあまり知らないみたいなんだよね。 『奇跡の人』。岡田惠和の脚本もいいのだけれど、キャスティングがいいんだ。特に、主演の峯田和伸がハマり役なんだ。30代で、インディーズ…