秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

2016-01-01から1年間の記事一覧

病んでいる

ここ最近の忙しさで、外出が多いこともあるのだけれど、なぜか電車の車内や駅、道路、イベント施設といった公共の場で、いろいろと非常識な風景に出くわす。 数日前もミッドタウンに面した外苑東通りの歩道をリードがつけられていない犬がいた。ぼくは、遠く…

あのとき

ぼくには、忘れられない出会いの瞬間の記憶がある…。 きみにもいったことがあるけど、ぼくは、ほぼ正確に過去の記憶を画像で振り返ることができる。一枚の写真、数十秒の動画でね。だから、忘れられない記憶はたぶん、普通の人よりかなり鮮明だと思う。 ぼく…

道理と無理

ぼくがよく使う言葉はいろいろあるけれど、道理っていうのもそのひとつ。ぼくの考え方や物のとらえ方、見方を知っているきみなら、わかるよね。 ぼくがよく使う言葉は、いまの世の中じゃ、忘れてらているか、捨てられているか、使われていても都合のいいよう…

ゴシップのしっぽ

この1年から半年の間に、報道がじつにつまらなくなっている。 特に、夜のテレビのニュース報道がNHKはいうまでもないが、各局、じつにつまらなくなっていることに気づいている人はいるだろうか。 左派、右派、中間派関係なく、それに気づいている人は、イン…

数字の二重構造

経済や国民生活の動向を示すのに、いろいろな指数が使われることはきみも知ってるよね。 そして、その指数や指数が示す動向、つまり、数字の動きで、経済や国民生活がうまくいっている、いないの判断基準にされたり、市民生活が潤っているとかいないとか、政…

若冲の重点

伊東若冲の作品展が大反響だったらしい。残念ながら、ぼくは仕事続きで美術館にはいけなかった。 若冲の驚愕の現代性や現代技術を先取りした色彩への挑戦はいろいろなところで指摘されているので、専門外のぼくがあれこれいうところはないのだけれど、若冲に…

病気の治療

「ラ・マンチャの男」っていうミュージカルをぼくが大好きだって話は、きみにも以前したことがあったよね。 その中に、「事実の中に、真実はない。事実の向こうにこそ、真実があるのだ」というドン・キホーテの有名なせりふがある。 事実だけを受け入れてい…

余白

自然界で起きる現象っていうのは、じつはぼくら人類やぼくら自身の国や社会、地域や家庭の姿のひとつの表象なんじゃないんだろうか…。 だって、ぼくら自身が自然界のひとつであり、そのけし粒ほどの存在でしかないんだからね。 人と自然が対立関係や対峙する…

おかしな地図

NHKを始め、熊本地震の報道。違和感を感じた人はいないだろうか。 九州にいる人間はなおさらだと思う。九州全域で揺れが起きているのに、鹿児島県だけが報道の九州地図から抜けていることさ。 天気予報でも、台風情報でも、九州地域の状況を示すときには、全…

国民の安心、安全

ぼくは10代後半で福岡を後にしている。また、父親の仕事の都合で県内を転々とした。それに、福岡生まれの福岡育ちだけど、じつは、元々は佐賀の血を引いている。 だから、先祖代々のお墓のある場所、生まれてからずっと暮らした地域、いわゆるふるさとを持…

謙虚であれ。誠実であれ。

川内原発が再稼働して起きた熊本地方を震源地とする地震… 原発にいまのところ被害がないからと、安全だと胸を張るのじゃなく、震源地が川内だったら。。。と考えることが必要なことじゃないのかい? 世界にも類のない地震大国。直近の研究では単純にいくつか…

世界が変わるとき

世の中には、名を挙げたい人、名を遺したい人がいる。 確かに、ぼくもだけど、人に認められたい、受け入れられたいとだれもが思う。人っていうのは、その字が示すように、必ず他者を必要とするし、しているんだ。 だけど、人に認められる、受け入れられるこ…

あのときの授業 あのときの大人たち

「ほら。黒板に書いたこの線を見てごらん」。先生はそういって、黒板いっぱいに描いた長い横線を子どもたちに示した。 「宇宙が誕生したのは、現在の科学の定説では、約140億年前といわれている。この線の始まりだね。そして、ここから、100億年が過ぎて、地…

タイムリミット

ぼくらの多くは、期限や期日を決めるのが好きだ。 仕事では当然だし、チームや集団でなにか目標をもって事に当たるとき、期限や期日は、最初に考えなければいけなことだろう。 そうでなければ、片づけなくてはいけない仕事が先送りになったり、その仕事や作…

負と正と×0

ぼくらはいつからか、負の要因や負の情報、負の意見といった、マイナスイメージをとても嫌うようになった。 ぼくは、この数年そう感じてる。とくに震災後、それが強くなっているように思う。 負の反対語は、正。なんだか、それだけ見ると、負はまずい感じが…

プレゼン

人前で、なにかを語る。意見を述べる。人に提言する。 ぼくらのいまは、プレゼンというものが当たり前になってきている。 特定のだれかではなく、不特定多数のだれかに、何かを伝える。伝えないまでも、いまここに、これがあるということを強く他者に印象づ…

いいのかい、それで?

自由ってなんだろう。ぼくは子どもの頃から、そればかりを考え続けてきたような気がする。 もちろん。子どものときに、法制度や社会制度と照らしてそれを考えていたわけではない。 でもね。自分が自分であることを生きたい。自分が自分であるためにこうあり…

手紙

きみは最近、手紙を書いたことがあるかい? SNSやメールがあるおかげで、ぼくらは、多くの用件を片づけるのに、直接会ったり、手紙を書く手間や時間をつくらなくてよくなった。ぼくらの仕事や生活は物凄い時短になったのさ。 それは、かつて、三種の神器…

豆腐の真ん中

谷根千って言葉を知ってるかい? 下町の人なら、すぐにわかるけど、谷中、根津、千駄木界隈を総称して、そう呼ぶんだよ。いまでは、海外からのバックパッカーから大人気の東京なのさ。 欧米を中心とした海外の旅行者が利用する、情報サイトやガイドブックに…

文体を変えてみた

グローバリズムなんてものをぼくが信じていないどころか、真向から否定しているとは、みんな知ってるだろう。 多様性を否定して、国際基準だの、世界のスタンダードなどといった、だれが決めたかわらかない勝手な基準に、一律に、平準化しようする。そして、…

モデルの不在

芝居は真似るから始まる。 世阿弥の「花伝書」に、物真似条々という言葉があるように、形を真似ることは芝居の学びの初歩にある人間にとって、決して恥ずかしいことでも、工夫のないことでもない。 逆に、それがない人は、基本を身につける場と機会を失って…

待つ

待つことは難しい。待つことはすべてを人にゆだねることだからだ。 私は生来、待つことが苦手な方だった。待つなら、自分から動く。それが物事を進める上で、一番いいことだと思っていた時期もある。 だが、物事がうまくいかない、行き詰るときというのは、…

あのとき、あれから、これから

最初に目にしたのは、ほぼ人のいない、崩壊した町の風景だ。 夕刻の迫る海には、虹がかかっていた。その虹に白い灯台がまるで何事もなかったかのように、じっと佇んでいる…。 津波に襲われた中学校の壁面には、県大会出場の垂れ幕がかかったままになっている…

涙が心に溜まっていく

明日で震災から5年…。 それは、私にとって、地方や地域のあり方、社会のあり方、国のこれから、世界のありかたを人の姿から考え、学び、行動し、そして、また考え、行動する5年だった。 それまで学んだ知識や経験で生かせるものを総動員する5年だった。 それ…

80年前の国益、国防、国策

震災前、私は毎年、この日、麻布十番にある佐賀鍋島藩の菩提寺、賢宗寺にいっていた。 40代の中ごろから15年ほど、毎年、2月と7月の決まった日に線香を手向け、慰霊祭に参加していた。それは、この日起きた、二・二六事件と三島由紀夫の『豊饒の海』を題材に…

くよくよ いじいじ うじうじ

くよくよするより、元気な方がいいに決まっている。うじうじするより、大らかの方が気持ちがいいに決まっている。いじいじするより、しゃきっとしている方がさわやかに決まっている。 だが、そうはいかないのが人だ。そうありたくてもできないのが人というも…

デジャブと喪失

デジャブ現象は、幼少年期から思春期に頻繁に体験した。成長するにつれて、その感覚は希薄になったが、いまでもたまに体験することがある。つい先月、あるパーティで、あれ?と思うデジャブがあった。 フランスの超心理学者エミール・ブワラックが1917年シカ…

ナントカ感覚

昨今の政治状況をとらえて、庶民感覚のなさ、国民生活の実態理解の乏しさといったことが指摘されている。 だが、指摘されても、これに賛同する人と賛同しない人の数は、おそらく、半々程度なのだろう。依然として、現行の政治に反感を持つ人は国民多数の声に…

国家のシノギ

いろいろなものが、もはや臨界点や限界を迎えているのではないか…。このまま進めば、それでいいというものではなくなってきているのではないか…。 政治学や経済学、社会学といった学問にふれていなくても、あるいは、そうした政治の場、経済や社会の中で生き…

声なき人は待っている

愚かさというものに人は気づけない。 気づけないから、自分は愚か者ではないと人は思う。愚か者ではないから、自分の発言やふるまいは、人々に受け入れられているはずだと思い込む。 自分が不正や不義、不遜なふるまいをしていても、それは不正でも、不義で…