秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

もう一度考えてみるといい

三里塚闘争のとき…といってもわからない人もいるだろう
成田国際空港開港阻止闘争=三里塚闘争という空港建設反対闘争があった

いまはとある大学の教授をしている親友が仲間が止めるのもきかず、反対派農民の農業支援=援農と闘争に参加した

何かあったときのため、主としてパクられたときのためにだが、ぼくらは救隊=救援隊として情報収集に努めていた

テレビをつけると、6時の報道に奴が出て、インタビューをうけている。奴が政治的メッセージを発言し、インタビューアーを論破するだろうとぼくらは固唾をのんで見入った

すると、奴の答えは。。。

 

「最後は正義が勝つでしょう!」

 

ぼくらはその場でずるっと、こけたw

 

確かに成田闘争そのものは敗北し、空港は開港した
だが、開港当時滑走路は1本しかなく、かつ都心から遠隔地
国際空港としての体をなざず、その後さらに施設を拡充したが、いまでは羽田国際空港を利用した方が便利という国際便もある

後の国土交通大臣は空港開設について地域農民に謝罪している
強権力による強引な土地撤収と思い付き計画の杜撰さを謝罪し、和解が成立したのだ

ぼくらはあのとき、笑い転げたが、奴の一言は正しかったことを証明した


権力、政権のすべてが常に誤っているとはいわない
だが、誤ることが往々にして多い

そのとき、声を挙げなければ、過ちが糺されないまま、人々、つまりは国民、要は自分たちの生活権や人権が踏みにじられ続ける

 

その瞬間は勝てなくてもいいのだ、大事なのは、過ちを糺すという発言と行動によって、自分という人間の矜持や誇りを守り抜くことなのだ

それが自分たちの生活と未来を守ることなのだ


権力の言われるまま、成すがままを許す それに従順であることは決して、未来を拓く力にはならない

そして、最後に、奴の言うように、権力の過ちという審判を下すこともできない

過ちを糺すのは、同じ過ちを繰り返さないためだ 同じ苦難を他に経験させないためだ

同じ哀しみを次の世代へ引き継がないためだ

いまさえ安心ならいいのではない いまがよければいいのでもない 権力や権威におもねれば、必ず裏切られるときが来る

いや、自分自身が保身や自分だけの身の安全のために権威や権力に隷従する人間になってしまう

それほどに、恥ずかしいことはない

それを知ることに、日本人という民族の矜持も保たれていたのだ

三島由紀夫の命日…もう一度、考えてみるといい