秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

休むのは人生が終わるとき

若い頃からのことだ。
 
自分が疲れているのか、体調が悪いのかの自覚がまったくない。あるとき、突然、あれ?…というのがくる。さすがに、若い頃のようにそれを押し切る体力はなくなっているから、気づくのは若い頃より早くなっている。
 
マッサージというのをきちんと定期的にやるようになったのは、あるきっかけだった。上海のかみさんが異常な凝り性で、あるとき、行きつけの恵比寿の飲み屋で隣になった若い奴にその話をした。すると、そいつは、巨人軍やオリンピック選手など超一流のアスリートたちのボディケアをやっている男だった。店はすぐそば。
 
40歳過ぎて、初めてその店にいって、本格的なマッサージをしてもらった。すると…。
 
「ここまで固まるまでよくがまんしてましたね」という。「このままにしておいたら、死にますよ」とまでいう。だって、自覚ないもん。「それが一番、危険なんです。あるとき、どんと大きな病気をしますよ」。おいおい、おどかさないでよ。といっているうちに、マッサージをする人間が3人がかりになっていた。「1時間や2時間ではほぐれませんから」ということらしい。
 
足のふくらはぎを責められ、腕・肩を責められ、腰・背中を縦断爆撃される…。「うっ!」「げっ!」「ぎゃっ!」という叫び声が自然に出る。だが、あっちもこっちもだから、痛い!という一言にならないw
 
「あのさ。エジプト式の治療法って知ってる?」とオレはオーナーにいった。「えっ?
なんですか?」。「歯が痛い時に、足の甲に鉄槌を落とすのさ。すると、歯の痛みが消える。これって、そうだよね」。3人の屈強な男たちはぎゃははと笑いながら、しかし、手の力は緩めてくれなかった。「ぐえっ!」。
 
疲れが溜まると、体が固まる。それは自然のこと。同時に、集中力も高まる。でも、それはほどよい緊張状態を体と心がまだ楽しんでいるからだろう。それが崩れると、だるさや疲労感でからだが重くなり、それでも気づかずムリをしていると、どこかに病気となって現れる。
 
オレの場合は、一時期、歯茎の痛みだった。それを手術までして徹底治療すると、次に扁桃腺をやるようになった。風邪はほとんどひかないのに、仕事が立て込み、あれやこれや常に頭をめぐらし、心配事がふえると、扁桃腺をやっていた。40代の中ごろから終り、50代の初めまではそうだった。おそらく、年齢による体調の変化もあったのだろう。
 
やると40℃の熱が続き、喉が痛く、食事は一切口にできなくなる。大量の汗をかき、意識が朦朧として、時間の感覚がなくなる。それでいながら、断続的な睡魔が襲う。
しかし、唾を飲みこむこともできないから、痛みと熱でまた目が覚める。熱出して、汗かけば治る…と思うから2日ぐらいがんばるのだが、最終的に、ヘロヘロになり病院へいく。
 
ところが病院によって、あまり利かない投薬の抗生物質をくれたりする。まったく症状は改善しない。そんなこんなの病院めぐりをしてるうちに、出会ったのが山王病院の耳鼻咽喉科。ここは慶應病院からの名医がいる。予約がないと、いまは診てもらえないほど。場所柄、有名芸能人もよくくる。
 
そのK医師が処方した点滴が、利く利くw。薬も漢方と化学物質を併用する。以来、あ、きたな…と思うと、そこへ行く。K医師にみてもらわなくても、処方は一緒だから、別の医師でもかまわない。
 
このところ、連日、打ち合わせや会議。そのあとの飲み会続きなどで疲れていた。すると、昨日あたりから喉が痛い。だるい。根気が続かない…。大事な時期なのだ。ということで、早めの点滴。本質的な体質改善や治療になっていないのだから、いいとは思っていない。
 
だが、男にはそれでもやり抜かなくてはいけないことがある。どんなに闇が深くても、いろいろな不具合や試練があっても、当座、そこを突っ切らなくてはいけないときがある。休むのは、人生が終わるとき。
 
…と書いていたら、仲間のT大病院教授秘書のTが扁桃腺7つ道具をもってきやがった。いろいろ心配していただいて、みんさん。ありがとうございました。