秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

それがいい、それでいい

人は出会いと別れを繰り返す生き物だ…会うは、別れの始め…。

そんな言葉を初めて聞いたのは、小学生か中学生のときだった。一期一会という言葉を学んだのも中学生くらいのときだったと思う。

剣道をやっていたとき、なぜ武道が礼に始まり礼に終わるのかという話を大人に聞かされて、この一瞬の勝負を生きる互いへの尊敬の表象であると同時に、このとき、いまの出会いを大切にする武道精神の根幹に一期一会があるのだと教えられた。

出会いの一瞬を大切にする。それは別れがあるからだ。その別れのときに心地よい構えでいられるために、いまがあるからだ。つまりは、いろいろあっても最後は、それがいい時間として振り返ることができるようにするためだ。

舞台や映画、イベントは、多数の人間が集結し、ひとつの目標達成を目指して、それぞれがそれぞれの役割を生きる。それも一期一会だ。作品が完成し、あるいは舞台が千秋楽を迎えれば、イベントが終了するば、それぞれがまた違う場へと散っていく。

また会えるものもいるが、全員が仕事を共にできるわけでもない。仮に、同じく仕事ができたとしても、そのとき、その時間の、その人たち、同じ時間、同じ客であることは決してない。

なぜか、このところ、5年ぶり、3年ぶりに旧知の人と再会するということが続いている。これといって連絡を取り合っていたわけでもなく、再会を意図したわけでもない。

いろいろな偶然が重なり、そんなことが続いている。

ただ、懐かしさだけを持ち寄って、過去を振り返るといったことは、私は好きではない。思い出話よりも、いま、そして、これからをどう生きるかの話題の方がおもしろいし、意味があると思うからだ。

昨夜は、匠の通夜のあとということもあって、久ぶりに再会した方と弔いの酒。いろいろと亡くなった方を語る思い出はありながら、バカ話をしながら、飲みまくる。

それでいい。それがいい。だが、飲み過ぎはいけないw