秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

力仕事

私は、独立して事務所を開設してすぐ、しばらく、地域コンサルの仕事をしていた。

当然ながら、コンサルタントという言葉は怪しさが漂う。私もそう思っていた。ところが、JICC(現、宝島社)の局長が、ひでちゃん。向いてるよ。と、経験もないのに、放り込まれたのだ。

結局、地域コンサルだけでなく、商品企画やSP(販促)、マーケティングまでやるようになっていた。

じつは、企業物や自治体物のCMやVPをやっていると、おのずと戦略事業にかかわっていく。当時は、CIが盛んにいわれていたときで、本来、原理原則や基本テーマ、基軸といったことにこだわる人間だったから、その方がいったように向いていたのだろう。

これは、台本・脚本をつくる中で自然と身についていったものだ。あるいは、台本・脚本、小説を読み漁るうちに、身についたといってもいいだろう。そして、フィクションをたどるうちに、社会学、心理学、精神医学、物理学、生物学、現象学、数学言語学と…必要不可欠な情報が広がって、さらにそれが深まった。

当然ながら、戦略事業にかかわるということは、現場のクリエーターからは身を置き、プロデューサーに限りなく近い位置に立場を置かなくてはいけない。

私は、現場に戻りたくて独立したのに、最初、仕事になったのは、そちらの方だったのだ。

いま、器用貧乏のように、監督・脚本・プロデュースまでやっているのは、こうした背景もある。また、20代中ごろから劇団を持っていたこともある。作家や演出家としてだけでは、維持できないからだ。

ひさしぶりに、がっつり企画提案書を書いた。映画でも、制作前にいろいろな場面で企画書をつくる。だが、このところ、自主制作作品にしか時間がとれてなかった。映画会社で企画から始めると、一般の方はびっくりするほどの時間をかける。

打ちあわせて、書いて、終わりはない。シノプシスは何度も修正するし、それで落ち着いても、次は台本で物凄い書き直し、組み建て直し、セリフの直しをやる。制作スタートも、クランクアップも決まっているが、ほぼ、ギリギリまで攻防が続く。舞台でも、私は上演中でもセリフや演出、照明、音響を変えることがある。

だが、それをやっていると社会活動などできない。ということで、このところ自主作品だけに絞っていることもあり、がっつり書いたのは久しぶり。だが、やはり、体力も落ちているのか、予定より1日遅れた。

いつもなら、土壇場ギアが入って、締切の1日前には終わるのだが、ギリギリ。しかも、くたくたw

この程度の企画書でくたびれていては話にならない。さて、次は、脚本。これもある財団の助成申請に間に合わせなくてはいけない。
だが、原理原則、理念にはこだわろう。

それがあるから、いつも力仕事になる。いつもながら、色男。力と金はなかりけり…w