秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

ありがたいに、合掌

昨日、助監督のSから久々の電話。プロダクションのマネージャーがオレと連絡をとりたがっているが、連絡がとれないと、知らせてきたらしい。
 
携帯はいつでもOKだから、連絡がとれないのではなく、連絡を入れる前に、オレの近況などを助監督に確認しておこうと思ったのだろう。
 
それくらい、気をつかって、連絡をしてきたのは、前回の自主作品のギャラの振込みの確認だったから。ほかのプロダクションは終わっているのだが、そこだけ請求書が遅れて届いて、来月の処理にしてある。
 
助監督のSも、マネジャーのOさんも、用件を伝え終わると、同じように、何か仕事があれば、連絡をぜひ…。仕事がないのだ。
 
いま、映像関係の制作会社、技術会社は、薄氷を踏む時代。制作費が削られている上に、番組や作品が少ない。あったとしても、年間のある時期に集中するという偏った忙しさ。その中で、どこも資金繰りは大変。
 
うちのようにメーカーとして著作権のある自社作品を持ち、しっかりした販売ルートを持っていないところは、1作品いくら?の受注がなければ、現金収入がまったくないということになる。それでも、世の中の状勢や景気の流れで、販売も例年ならこれだけ実績があるはずという予想が、簡単にくずれる。今年は、販売の出足も遅い。
 
つまりは、確実に予測できることのない中で仕事を続けなくてはいけない。社会教育も人権啓発も、社会問題をとらえた映画も、それは、必ずしもこの世になくてはならないものというわけではない。
 
家計が苦しければ、遊興費や娯楽費を削るように、生活に直接影響のあるもの以外は脇にやられるか、後回しにされる。そうした中で、仕事を続けていくというのは、容易ではないし、金持ちになりたいならやめた方がいい。だが、こうした映像作品の
制作の仕方、制作システムのあり方、販売や流通のあり方を見直し、新しいパラダイムを生み出すことも必要だろう。
 
秋の制作へ向けて、企画などあれこれ打ち合わせもあり、取材、台本制作と慌しくなりそうなうちの会社は、まだ人間関係に恵まれている。
 
いろいろと周囲に無理をお願いしなければならないことも少なくないし、迷惑をかけることも多いが、企画書書きに追われること自体、ありがたい時代。
 
昨日、今日とプロデューサーさんたちとの打ち合わせが続くが、いつもぶっちゃけ、いろいろと語れるし、ヒントやアドバイスをくれる、昨日のKさんにも感謝。
 
オレは、本当に、ありがたい人たちに囲まれている。合掌