秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

スーツが似合うオレ

丸の内東映で開催される、花まつり前日の「手塚治虫ブッダ上映会」の導入紹介映像のショートムービー。思いのほか、仕事が別件で中断し、手こずる。
 
先日は、銀行保証協会に顔を出し、昨日は、日本政策金融公庫の担当者が来訪。うちは6月決算なので半期の試算表や後半期の売上見通しと、来期へ向けた自主制作作品のアニメの件、棚上げになっている映画企画の件など、プレゼン。
 
保証協会の担当者からは、「社会問題、教育問題で、これだけの作品をつくっている会社って他にあるんですか?」と聞かれ、日本政策金融公庫の担当者は、「その映画の企画資料、いただいてもいいですか?」と聞かれ、いずれも興味深々(笑)。
 
確かに。東映などいくつかの大手制作会社以外、うちのような零細規模の制作会社で、年間6タイトルから2タイトルの社会、教育問題を扱ったオリジナル作品をつくっている会社はない。文科省の選定まで受けている。
 
昔、事務所を開いてしばらくして、ライバル会社の広告会社の担当者が別件で、当時広尾にあったワンルームのオフィスにきたとき、あたりをながめ、「ここで、あれだけの仕事をやっているんですか?」と驚かれたことがある。
 
銀行関係者から「どうして? おたくのような…」と疑問を持たれるのは当然のことだ。映画の企画にしても、構造式ができていて、どう考えてもあとは制作実行委員会を立ち上げるだけのところまで来ているし、社会的に意義のある作品。それを、ほぼオレひとりでやっている。
 
オレが優秀だからというのではなく、いい外部スタッフやコネクション、人間関係に恵まれているからなのだが、銀行関係など、実体のあるものを目にすることで、信用保証の基準としている人から見れば、不思議でしょうがないのだろう。
 
これは一重に、一度切りだけやったサラリーマン生活で、前の会社の社長からいくつものプロジェクトをまかされ、大企業の役員や中堅企業で、いまは大手企業に成長している経営者などと仕事をさせられ、千本ノックをやってもらったおかげ。
 
30代前半で取締役までやらせてもらい、プレーイングマネージャーとしての教育をたたき込まれたからだ。
 
なるべく、そうしたものは封印するように、40代中ごろから心がけているのだが、いかんせん、会社の経営者でもある以上、自分のやりたい夢を実現するためには、スーツが似合う、オレにならなくてはならない(笑)。
 
チャらく、生きていきたいのだが、そうはいかないのが世の中。意外に、スーツが嫌いではない自分と度々向き合うことになる。
 
が、しかし。ブッタの台本を書きながら、心を戒めねばと考えつつ、やはり、チャらくありたいと思う、邪なオレがいる。
 
さてさて、スーツの似合うオレの方が人々にとって幸せなのか、DIESELに身を包んだ、チャらいオレがそうなのか…。