秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

悪しきものをよきものへ

人の性分というのは、基本的に両親やそのまた両親といったDNAによって引き継がれている。
 
体調や病気においてさえ、DNAのよってあらかじめ決定されていることはすでに、明らかにされている。
 
残念ながら、品格や品位といったものも、逆に、狡猾さや品格のなさといったものも、あらかじめ両親やその前、もっと前からの遺伝子によって決められている。
 
ある意味、生きるというこは、そのあらかじめ決められた遺伝子のよきものを成長させ、悪しきものをよきものへと変更するための自分自身に組み込まれた遺伝システムのシステム変更のための時間なのだ。
 
当然のように、組み込まれた、自分の思考パターンや趣味嗜好、人の好き嫌い、何かを学ぶ意欲とそれを使うときの作法…そうしたものの変更の要求。それが、苦難であったり、壁であったり、障害であったりする。

だから、物事が自分の思うようになっているときの方が、人はあやうい。逆に、うまくいかないことだらけの中で、どうふるまうか、どう道を見出していけるの労苦の方が、人を成長、つまり、課題となっているシステム変更へと向かわせてくれる。
 
どのような人との出会いも、どのような出来事との出会いも、すべてがありがたいというのは、そうした思いがしっかり自分にあるから出てくる言葉だ。

英語字幕版の作業が来週末、20日過ぎに終わる。映画祭のエントリーもそれで整う。次は、いま考えている新しいMOVEの活動へ向けた調整作業に着手する。これは、いままでの取り組みとは大きく違う。
 
これまで取り組んできたイベントにせよ、ツアーにせよ、一定のノウハウもつながりもある。だが、これから取り組むことは、これまでのノウハウだけではやれない。またひとつ、敷居を高くし、また、ひとつ、新しい分野の人たちとの連携を必要とする。
 
本業の仕事でも、いくつか敷居を高くしようと思っている。
 
だが、それらは高邁な何かへ向かうためでも、なにか上のステージといったものを目指すものではない。より、人へ近く。より、人の心へ届く。それが願いであり、ねらいだ。
 
時間とともに、人とともに、状況は変わっていく。その中で、取り残されたもの、人、思いを拾う。それが、少なくとも私の、悪しきものをよきものへ変えてくれる道だと思っている。