秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

どこかさびしい

お盆休みが分散型になったためか、東京では先週から人の密集度がオフィス街やその周辺で薄くなっている。
 
一方、アミューズメント施設や渋谷、新宿、池袋、銀座、丸ノ内界隈は人があふれていると聞いた。
 
東京で一番好きなのは、じつは、正月とお盆。人がいなくなり、街が静かで、空気もきれいになる。ただ、繁華街以外の場所では、お盆休みをとる飲食店が多く、ここ乃木坂界隈もミッドタウンと六本木周辺以外は、店を閉じるところが多い。
 
例年はお盆の時期は相模大野の家へ1日もしくは2日戻るのが恒例なのだが、今年は、企画書づくりやワークショップ、それに8月23日のいわきでのイベントの準備などで戻れない。
 
その分、どことない停滞した経済情勢のにおいが微妙に町の風景にみえる。
 
4月~6月の景気動向指数が出た。上向きだという。この間、復興庁へ行くのに時間がなく、タクシーにのったら、運転手の方が、とても景気がいいとは思えないとつぶやいていた。

秋に発表となる消費税増税来年4月実施決定へ向けて、いい経済指数ばかりが揃えられている…と感じるのはオレだけではない。おそらく、これから秋にかけて、景気は上向きで今後問題はないといったデータばかりが提供されていくだろう。
 
自民党の内部においても、来年4月増税は危険という指摘がある。しかし、アメリカが雇用改善など上向きにあるいま、財政健全化という名のもとに、日本に消費税増税をせまるのは当然だ。日本に本当の意味で経済回復されて困るのはアメリカ経済でもあるのだ。
 
ヘリコプターの墜落事故でいったん、中止になっていたオスプレーの追加配備も、反省の弁と数日の冷却期間をおいて、沖縄の意向など無視して再開された。

広島市長、長崎市長核兵器廃絶への署名に日本政府のサインを要求しても、するりと問題をかわし、アメリカの核の傘に気遣いをして、世界の動向に足並みをそろえることはない。
 
おそらくは、尖閣竹島問題で及び腰だったアメリカは、原発の再稼働、消費税増税の断行、そして、核抑止の維持とそのための沖縄の提供を調整材料にして、尖閣竹島の領有権とその安全保障を引き受けるという日本カードを裏で切っている。

尖閣竹島憲法改正…。それは一見、この国の経済情勢と関係ないようで、じつは深く結びついている。

お盆。ほとんど余暇や家族旅行などというものと縁のない自分だからなのか、いつもこの国にこの時期の風景は、どこかさびしい。