秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

宇宙との交信

日曜午前7時のスーパーひたちでいわきへ。いわきビジネス復興協議会の理事長で、専務をやっているMさんの菌床椎茸組合の大感謝祭のイベントに参加。

仲間のPower of Japanの代表のKさん、副代表で今回、いわきの食材を使い調理人を集めた天厨菜館のYくんたちとMOVEメンバーやMOVEを応援協働する会でいわき在住のみなさんに声をかけて集客応援をした、MOVEが後援に名前を連ねた。
 
今回取材した菌床椎茸組合のW理事長は、戦術と戦略、そして気骨のある言葉を持っている方だった。時間があったら、もっと多岐にわたって地域の新生について語り合えただろう。
 
現実認識と現実を変えていくビジョンを自分の言葉で持っている…ということだ。そして方法論も具体的にある。これまで取材していて思うことだが、こういう人たちがいろいろなところに、ポツリポツリといる。
 
改めて、それをつなごうとしているSmart City FUKUSIHMA MOVEの有用性、必要性、その役割の大事さを痛感した。

どういうわけか、昼間でも20℃を切る肌寒さ。夜は、Mさんが紹介してくれた、地元病院のH先生とあいさつを兼ねて、飲んだ。ところが、すっかり接待を受ける側にされてしまった。MOVEの活動に参加、かつ寄付をしてくださるというのに…
 
産婦人科部長さんなのだが、そのキャリアを聞き始めたら、当初は分子生物学の基礎研究をやっていたという。国内で研究に携わり、テキサスのヒューストンで2年もその研究に携わっていた。

思わず、遺伝子治療の草分けである、養子免疫療法を生み出したローゼンバーグのことを語りたくなった。また、分子生物学といえば、渡辺格先生。そして、分子生物学の臨床展開は免疫学。そうなると多田富雄先生の話になる。
 
H先生は、福島の支援事業をやり、本業で映画をやっているオレの口から、そうした言葉が出てくるのに、ひどく驚かれた様子だった。「ローゼンバーグや多田富雄なんて名前、普通の人の口から出てきませんよ!」

確かに。そうかもしれない。

だが、宇宙のことを考えれば…人の起源とそれからのいまを考えれば…数学の素数と同じように、偶然の配列のようにみえた遺伝子がひとつひとつに役割と意味があり、その記号の集合によって、人体と人体が生み出すいのちの営みの過去といま、そして未来をつくっていると考えれば、少なからず、人に演出をつけ、人を題材として物を描く人間として、それらは当然の学びだとオレは思っている。

H先生も産婦人科医という肩書だけでなく、そうしたキャリアを背後に秘めているように、人は見かけや肩書とは別の多様な何かを持っている。

おそらく、H先生もきっと宇宙人に違いない。よく考えれば、菌床という世界も宇宙の営みの縮刷版のような世界だ。南方熊楠が粘菌に魅せられたのも、ミクロから世界、そして宇宙を観ようとしたからだ。

日曜は、どうやら、宇宙との交信の日だったのかもしれない。