秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

大黒様よろしく

ふと気づけば、今週は毎日MOVE関連の打ち合わせが入り、作品のオーディションや衣裳の手配など雑務もありで、毎晩何がしか酒席にいた。
 
当り前ながら、台本のカット割りと撮影香盤表(撮影スケジュールと俳優の出入りをまとめたもの。歌舞伎用語からきている)が遅れる。
 
昨夜午後7時からの秀嶋組のスタッフ会議に合わせて、しゃかりきでやり、なんとかスタッフがマンションのベルを鳴らしたところで完了。何事もあきらめないでやればなんとかなるものだ。

ほぼ2年ぶりの秀嶋組の集合。がっつりカット割り確認と撮影香盤の確認のあとは、恒例のオレの手料理での家飲み。
 
照明のSは2年ぶりの登場だから、懸命に軽口をたたこうとするし、後期高齢者に入りつつある助監督のYは、歳寄りネタでいじらっぱなし。遅れてきたヘアメイクのHはあいからずの土佐の姐御だが、体調の関係で酒は飲めないといいながら、「ここにきて、それはないでしょう」と、床にべったりすわって飲み始める始末。
 
最近、オレがこっている、鶏つくねとネギの醤油鍋。カメラマンのHや技術のO、照明のSで、またたくまに完食。酒の弱いカメラマンのHやヘアメイクのHは、ゆきこがくれたカシスがうまいうまいと炭酸割りでグイグイw

だが、だれも照明のSの亡くなったかみさんの話は一言もしなかった。Sもその話題を切り出すことはなかった…。みんなのさりげない気遣いも、そして、Sのさりげない気遣いも互いにわかっている。

現場に入れば、みんなプロの仕事を完璧にこなす。言葉には出さないが、それぞれに作品には厳しい。かといって、高邁なことをいうのではない。いまある限られた中で、自分たちのベストを尽くす。それに徹している。だから、ときには議論にもなる。だが、仕事で本気の愚痴をいうことはない。
 
いいものをつくるために何をすべきか。それだけしかない。不利不足に文句いい、愚痴をこぼし、高邁な理想ばかりいう奴はひとりもいない。

ある意味、貧乏くじばかりを引いている連中かもしれない。だが、それを貧乏くじと思うか思わないか、あえて、ほかの連中が貧乏くじと思うものを引いているかどうかで仕事の質と内容は大きくかわる。人としての魅力も変わってくる。

そんな貧乏くじと縁のある気のいいやつらのために、今日は豊川稲荷の大黒様をお参りw
 
 
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