秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

人さびしい都会の片隅で

窓ふき、台所の掃除と残っていた片付けをする。
 
昼食に久々、「はーとin乃木坂」へ。昨日の午後2時で、48年の営業に幕を閉じた。打ち合わせに使ったり、秀嶋組の撮影の折に昼食をとったり、夕方早い時間に来訪があると、打ち合わせの後、おいしい生ビールを飲みにいったりしていた。
 
作品の完成打ち上げに一度だけ、パーティルームを使ったこともある。顔なじみのウェイターさん、ウェイトレスさんも少なくなかった。
 
実は、大学卒業のとき、定かに就職する気もなく、親の手前、申し訳程度に就活をした。そのとき、この「はーとin乃木坂」の経営母体、「健康保険会」の役員面接までいってしまった。
 
1000人ほどのエントリーがあり、採用は1名。その最終選考の2名に残ってしまったのだ。ギリギリまでもめたらしいが、結局不採用になってほっとした。
 
乃木坂なんて、そのときまで来たことがなかった。だから、それから20年近く経って自分がその向かいのマンションにオフィス兼事務所を構えるとは夢にも思っていなかった。不思議なものだ。
 
と、感慨深く、なつかしい洋食屋の味のする、カツカレーを食べる。ラストランチ。
 
深夜零時になって、秀嶋組のヘアメイク、Hが来訪。深夜の年末のあいさつ。六本木の店も経営しながら、CM、ドラマ、ショーとこなしている。遅い時間ではないと顔が出せなかったらしい。
 
Hの店のスタッフも2名参加して、午前3時まで、秀嶋鍋をつつきつつ、あれこれ語る。
 
Hは、昨年結婚し、秀嶋組でもお祝いをした。だが、結婚してしばらくして、子宮がんがみつかり、今年手術をして、通院が続いているらしい。さいわい、全摘出にはいたらない、軽度の状態だったから、まだ子どもを生める可能性は残されているらしい。
 
しかし、20人ものスタッフのいる六本木の店の経営から現場仕事、社員教育、営業活動と、ひとりで切り盛りしている。土佐の女らしく、気丈。だから、その健康は心配になる。
 
オレは本当に人と出会いにまぐまれている。そんな話をした。
 
飲食をするだけで、そう度々顔を出していなかった、はーとinのスタッフは、なにかと気遣いをしてくれた。こうして、遅い時間でも年末のあいさつついでにと、飲みたいからと顔を出してくれる仲間がいる。
 
ことあれば、スワ鎌倉と一致団結できる秀嶋組やその秀嶋組の仕事を楽しんでくれる俳優や事務所がある。仕事の声をかけてくれる方がいる。
 
年末の迫る、人さびしくなっていく、都会の片隅で、人と出会いに生かされていることにひとり感謝しているオレがいる。