秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

ただの道しるべ

昨夜、イベント終了後の撤収作業は、本降りの雨の中。正直、大変だった。
 
学生ボランティアのSくんたちを始め、MOVEメンバーで最後までやれる連中は、社会でそれなりの立場にある連中がほとんどなのに、愚痴ひとついわず、作業に取り組んでくれていた。5時半から本降りになった雨の中、本当にありがとう。
 
途中で抜けていった連中もできる時間の中で、大変な作業をやってくれた。これにも感謝。同時に、難しい予算の中で、受注し、最後までやってくれた、ステージや照明スタッフのみなさんにも感謝している。
 
オレたちの活動は仕事ではない。そこで糧をえている者はひとりもいない。今年からはできるだけ実費として発生する経費は少しでも出せるようにと取り組んでいるが、まだNPO法人として誕生したばかりの団体には、なかなか活動資金の確保は難しい。
 
近い将来、専従者を設け、ある程度の生活保障がある中での活動へと成長していかなくてはと思う。また、そうした方向性は少しだが、見えつつもある。
 
だが、雨に打たれ、手の爪を泥だらけにしながら、重い荷物を持ち、体の痛みを感じながら、だからこそ、わかる自分の活動の意味や活動へ向かう自分の思いの軽重もあると思う。少なくとも、オレは、このイベントを始めると決めたときから、それが自分への問いだと決めていた。最近メンバーになったHさんとYさんは女性で、しかもそう若くはない世代にありながら、男性顔負けの作業をやってくれていた。

わざわざ福島や岩手、山形から来てくれるみなさんに、到着したとき、すぐに仕事にかかれる心遣いは示したい。終わったあと、また遠方へと帰る人たちに、片付けの負担はさせたくない。その思いで年齢にしてはちょっときつい3日間を気合で乗り切っている。

会社ではないのだ。そうした苦労をすべての人がやるべきだとは思っていない。だが、ちょっとしんどいな…と感じることをできる範囲でやらないと、こうした活動や運動の本質は見えてこないと思っている。

自分は本当にこの運動に主体的にかかわろうとしているか…ということなのだ。最初はそうした気持ちは希薄だったとしても、地位や名声や見栄や体裁とは無関係に、自分から率先して、できる苦労をかっていこう…そういう思いが芽生えることが大事だ。
そして、それを楽しむことができることも、大事だ。

人に何かをアピールする。人に何事かメッセージを発信する。その裏側には、その確信と結びつく、実践がなくてはいけない。いろいろな立場、いろいろな感情、いろいろな思いがある。それがときに、議論を必要とする場合もある。あるいは、こうしたことへ偏見や強い異論を持つやつらに、一歩も引かないぞという決意と強さが示さなくてはいけないこともある。
それができるのは、自分のからだと汗と金をつかうからこそ、できることなのだ…とオレは思っている。

だが、オレがあれこれもういわなくても、世代の若い連中たちが、そうしたことを自覚し、自分たちの思いを育てていってくれている。40代前半が上になり、30代・20代がそれを実践する。そう遠くないうちに、そうした形へ移行するだろう。
 
そのときの反面教師も含め、彼らが主役のときに、なにかの道しるべとなるために、オレはいまただ、そこにいるだけだ。