息子の明日を守るために
息子と半年以上ぶりに会う。3年も前期が終わり、いよいよ奴も就活を始める。
前々の就職難のときの先輩たちは、専門学校へ進んだり、バイトをしながら公務員試験を目指したりと…すんなり就職できた連中は少なかったらしい。そして、いまの4年生は前の年の連中よりはましらしいが、それでも苦戦は続いているといっていた。
なんてことを話しながら、奴が進もうと思っている業界のことやら、就活に向けた勉強の仕方やら…あれこれアドバイスをする。
プロデューサーやプランナーの道へ進みたいらしいが、業界によって、その在り方も違うし、身につける情報や知識も違う。奴が進んだ学部での勉強をベースに、就職先を検討するのが、一番、筋にかなっている。
が、しかし。あと、どう闘っていくかは、奴次第。所詮は、奴の人生。どのような選択にせよ、自分で棘を拓いていくしかないのだ…と最後に伝える。
ちょうど、北海道からFB仲間のGちゃんが中学生の息子を連れて、立ち寄ってくれたので、近くの長寿庵で、軽く一緒に飲んで、あとは、それぞれ息子との対話タイム。
ちょうど、北海道からFB仲間のGちゃんが中学生の息子を連れて、立ち寄ってくれたので、近くの長寿庵で、軽く一緒に飲んで、あとは、それぞれ息子との対話タイム。
彼女のこと、恋愛のやり方、息子が生まれる前のオレの役員生活…など、これまで深く話すことのなかったことを話題にとりとめなく語る…
三軒目にいった店は、もう30年近くオレが通っているバー。バーデンダーが息子と二人、酒を飲むオレたちの姿に、「自分もいつかそんなふうに息子と酒が飲みたいです…」。確かに。
人に渡せるものは、そう多くない。しかし、こうしてわずかばかりのオレの経験を息子に少し渡すことができる。
人に渡せるものは、そう多くない。しかし、こうしてわずかばかりのオレの経験を息子に少し渡すことができる。
至難と試練と倒壊しようとしているこの国で、オレの息子は生きていかなくてはならない。オレはオレのできることで、そんな息子の明日を守ってやるしかない。