秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

市民の、市民による、市民のための国

「地域新生のためのITセミナー」が今週末に迫っている。福島民報のKさんが共同主催に一も二もなく承知してくれたおかげで、いわき市での開催にはずみがついた。いわき商工会議所、まちづくりビューロー、FMいわきが、これもMOVEがやるのならとすぐに協賛に名を連ねてくれたのもありがたい。

今後、福島県内で開催していく上でも福島民報やこうした協力は大きい。合わせて、産経新聞の人間が事後記事で協力するという話も出ている。
 
NPO法人MOVEは、FBを通じて仲間になってくれた人間が大半だから、当然といえば当然なのだが、その中に特質してSNSを活用している人材もいれば、ITのSEやデータ復旧では業界屈指の人間もいる。また、いわきを地盤に全国でコンサルをやる人もいれば、ITソリューション事業を本業としている経営者もいる。
 
そのおかげで、オレがイメージする地域再生の戦略事業をすぐに理解してもらい、社会貢献として講師の役を担ってくれている。実業の中で、ITと向き合っている…ということが大きい。かつ、単なるオンラインショッピングで儲かったという話題ではなく、「地域」というものとITとのかかわりを考えながら実業をやっている人がいることが強い…とオレは思っている。

いま、まだ、オレの構想を詳細に仲間全員に周知してはいない。だから、メンバーの理解には深度の差がある。しかし、MOVE設立当時からオレがいっていたSNSスカイプユーストリームといったツールをつかいながら、失われた地域共同体をネットの力で再建、新生するという発想は、揺るぎないし、これからそうした時代の波が急速に進むと確信している。
 
当初は、楽天やYahooのようなものとしか理解されていなかった。だが、それは、単に既存の流通、物流の延長でしかない。私企業の私益事業に過ぎないのだ。
 
それは、現実空間から少しだけ背を伸ばし、ITを取り込んでいるだけだ。オレは現実空間の中ですべてを終わらせる時代は終わったと、3.11のときから確信していた。いわば、現実空間、地域の弱さをネット上の独立市、独立国家をつくることで現実を越えようとしているのだ。

その発想の基本は、ITから生まれるものではなく、生活者、市民生活という姿が生み出すものだと思っている。折しも、オバマがITネットワークによるスマートグリッドを提唱してから、CMでもスマートという言葉が増えている。多義性に満ちているから、大衆のムーブメントになるには、定義づけも含め、もう少し、時間がかかるだろう。
 
逆をいえば、どういう理解の仕方もできるし、どのような活用、応用の仕方もある。すでに電通がオレと同じ視点で事業化を進めている。だが、市民の輪の中に入り、フェーストゥフェースの付き合いを積み上げなくては、器を用意しただけでムーブメントは起きない。これは運動(MOVE)なのだ。
 
これまで、MOVEは、「大いわき祭」のようなイベントで支援事業をやるものと思っていた連中は少なくないだろう。始めにやったのは、実は、オレが構想している運動のひとつの着地点だからだ。着地点を先に見せて、運動の体系をつくりたかったからだ。運動の全貌はあからさまにはできないが、今回のセミナーで、MOVEが目指すのが、ITを活用した社会改革運動であることがわかるだろう。
 
MOVEはボランティア事業の延長に濡れ手にアワも考えてはいなし、社会貢献事業だけをやっていれば、3.11が提出した地域の課題、ひいてはこの国の課題が解決されるとも考えてはいない。同情や憐憫で被災地を応援するだけのイベント屋でもない。
 
この運動を通じて、市民の手に地域や社会、国を取り戻すことが大きなねらいなのだ。市民こそが地域、社会、国の主役である…。そのためには、「市民の、市民による、市民のための国」を新生しなくてはならない。
 
 
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