秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

意識は人の身体を越える

地域の再生を考えるとき、高齢者の問題から切り崩してみてはどうだろう…とこの数日考えをまとめている。
 
実は、徳島へ提出する人権啓発映画のプランなのだが、いろいろと調査し、考えるうちに、これは、MOVEの活動とも無縁ではなく、かつ、MOVEが目指すIT事業とそれに付帯する新しい取り組みとも無縁ではないと実感している。
 
一つ仕事をやるときに、オレはよくいくつかの仕事をリンクさせながら進める…ということをよくやる。そういうときは、基本、いろいろなことが段取りよく運ぶ。その感覚を大事にしている。
 
折しも、この数週間、高齢者や高齢者世帯の孤立死が頻繁に報道されている。徳島の理事長とあれこれ次の映像作品の企画を語り合い、同時に、MIOVEのIT事業のコンセプトワークを進めながら、出てきた答えが、地域の再生と高齢者だった。うちの自主作品企画も考えているときに、それらの点が線になってきた。
 
何事かと出会う、何事かを知る…というのは、その人間に与えられたサイファだ。最初は、解読不明の暗号が、思考をめぐらし、人と出会う中で、解読可能になっていく。

高齢者には限らないが、いつもいうように、女性、子ども、高齢者にやさしい社会は、社会的に弱い立場、力なき人々にとってもやさしい社会になりえる。しかし、ただ何かにすがって、立場の保全を図るというのではなく、弱き者、力なき者が気持ちをつなぐことで、太く、強き糸を紡ぎ出すこともできる。
 
被災した地域や人々が自らによって立つ…ということにもそれは共通していることだ。
 
昨日、MOVEの仲間のひとり、気仙沼出身のSも力をつくている、銀座の東日本復興支援センター、銀座の旧旭屋書店にいってきた。FB仲間の方たちがFKPという団体をつくり、南相馬の物産や南相馬の障害者支援でつくられている味噌などの販売をボランティア代行していた。
 
こうした人々の願いや思いをつなぐ上でも、地域を結ぶ人の輪が大事だ…と改めて思ったのだ。それは、距離と空間を越えて、実現することができる。意識は人の身体を越える。おそらく、FKPの人々は、つねに、南相馬大隅町といった原発避難地域の人々と同じ地域に暮らしている。