秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

与えられるミッション

11日、正午にいわきに到着し、いつものように駅レンタカーを借りて、定宿になっている、ワシントンホテル椿山荘へ。
 
FBで知り合い、オレの書き込みに時折コメントをいただく、いわき市コンサルティング会社を置く、Fさんとランチをする。
 
先月、徳島へ女優のKと講演にいった日も、Fさん、仕事で徳島の鳴門へ出張だった。お会いでれば…とは連絡を取り合ったが、お互い仕事で今回は難しいということになっていた。
 
それが、初めてお会いして、お話を聴くと、どうやら徳島行きの同じ便のオレの後ろのシートにいらしたらしい。「写真とイメージが違っていたので、失礼をしてはとお声をおかけしませんでした…」。まさに、縁とは不思議なものだ。
 
実は、FさんとFBで知り合ってから、MOVEがいま取り組もうとしてるIT戦略事業にご協力いただけないかと考えていた。同じいわき市に本社を置く、東日本電算センターの社長、Sさんと知り合って、すぐにFさんのことが思い浮かんでいた。ソリューションの分野とコンサルの分野、つながるのではないか…オレの勘だ。
 
そして、昼食をとりながら、あれこれお話をしていると、やはり! Fさん、もとは富士通の開発部門にいた方。ある縁でいわき市の大手スーパーに転職し、コンピュータによる販売仕入加工のシステム構築と運用、それに伴うマーケティングをやっていらしたらしい。その後、独立して、全国の中小、零細企業のコンサルタントをやっていらっしゃる。まさに的中ながら、どんぴしゃりの方だった。
 
2時半からの慰霊祭もあり、Fさんも夕刻から地方へ出張ということで、大変失礼ながら、一時間ほど、聞き役に回っていただいた。しかし、これがまた、不思議な感覚だったのだ。

これまで、MOVE内の会議や行動研究部会の少数の集まり、外部サポーターとして支援いただきたい方々に、IT戦略事業のオリエンテーション、プレゼンをやってきた。しかし、今回、Fさんを前に、語り始めると、これまで浮かばなかった比喩や具体的な言い回しが立て板に水のように、繰り出してくる。
 
「ITを知らない人にでも、秀嶋さんの構想がわかるように伝える…それが大事ですよ」。そうアドバイスをくれたのは、先月、多忙で貴重な時間をいただいた、某大手マスコミ関連企業、特別顧問のMさんだった。Fさんに語りながら、これなら、Mさんに誉めてもらえるかもしれない…そう思った。

講演やパネルディスカッションなどで、たまに体験するのだが、あらかじめ用意していない言葉や考えが次々に浮かび、考え整理する前に、言葉にでき、それが論理的に一貫性と説得力を持つ…ということがある。まさに、その感覚だった。
 
夢中で語りながら、ふと、オレはこの話をし、自分の考えをFさんに語ることで、これまでつかみながら、明確になっていなかった、MOVEのIT事業のコンセプトと骨格をブラッシングするために、いわきに来たのではないのか…そう思っていた。
 
語りながら、この間、大いわき祭に手弁当で参加してくれた、農業・水産加工関係者、じゃんがらやよさこいの団体の方々の顔が一人ひとり浮かんだ。いわきや会津若松で出会った被災した方々の表情がよみがえっていた。この話なら、みなさんに、きっとわかってもらえる。そして、取り組もうという意欲を抱いていただける…オレはそう確信していた。
 
周囲の人間にオレの構想を説明しながら、いまひとつ明確に語れない隔靴掻痒の思いがオレにもあった。行動研究部会から3名ほどの方に、計画案のたたき台づくりに尽力を願ったのも、そんな思いからだ。
 
しかし、前にも紹介した2冊の書籍と出会い、自分なりにコンセプトを洗い直す中で、次第にはっきりと姿が見えてきたものがある。それは単にIT分野にとどまらない、新しい地域のあり方、人々の生活の所作、たたずまい、姿勢といったものにまで広がりを持つ、基本理念のようなものだ。 
 
相手が、コンサルを長くやっているFさんだったから、それができたのかもしれない。コンサルの基本は、まず、相手の実状をヒヤリングし、フィールドワークをやること。人の話を聴く…ということがきっとFさんは、お上手なのだ。その器の中で、オレは自由に羽ばたくことができていた…
 
ランチをごちそうになり、福島で著名なお菓子屋さんのおみあげまでいただき、お願いごとをしながら、すっかりFさんに甘えてしまいました。でも、おかげさまで、考えをまとめることができました。本当に、本当に、ありがとうございます。
 
Fさんとお別れして、喪服に着替えると福島民報のKさんが企画し、福島県の助成をえて実現した竹あかりイベントの準備会場へ。丁度、会場に到着した時間が2時46分…。立ち止まり、黙祷をして、Kさんにあいさつをすると、すぐに慰霊祭をやっている薄磯へ。時間があれば、よさこい踊りの出演でお世話になった久ノ浜へ向かいたかったが時間がなかった。
 
夕刻からは、再び、竹あかりイベント会場へ。沖縄のエイサーが応援出演し、じゃんがらで終幕を迎える。実は、エイサーとじゃんがらはルーツが同じ。次回のいわき祭には、エイサーを呼ぼうと昨年から決めていた。ここでもイベントのイメージをもらう。竹あかりは、港区檜町公園にきっとよく似合う…。

夜、ライブハウスで竹あかりイベントの慰労会があるというので、ジャーナルのAちゃんも誘い合流。KさんつながりのFB仲間の集い。また、新しい出会いをKさんにつくっていただきました。感謝。
 
 
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いわきにくると何かに出会ってしまう…。よく考えれば、それは最初のときからだ。
 
そういえば、今回、IT事業の考えを明確さへと導いてくれた、「養老天命反転地」。実は、岐阜県養老町にその実験アートが広大な敷地に建設されている。ところが、そこの有力者の山田某という人物、海援隊とも関係があったらしい。
 
それを知ったのは、いわきへ向かう前日、KとTと久々3人で飲んだとき。Tの父方の先祖がその山田某という人物。 この人、その後、福島県相馬の市長をやっている。

普段、KYなKが、めずらしく鋭い指摘をした。「だって、新国立美術館の地下の売店に入ってすぐ、まるで、監督のためにおいてあるように、あの本がそこにありましたよ。しかも、貴重本で一冊しかなかった」。確かに。「Tさんと監督がこうした社会貢献事業でつながりを持ったのも、なにか前世からの縁なんじゃないですか?…」。
 
何事につけ、人との出会い、何事かとの出会いは約束されたいたもの…。それを深くたどる必要はないが、そこで教えられたことは、素直に、実直に実行していきたい。
 
オレは、それが人に与えられたミッションだと確信しているから。