秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

そんな福島が…

昨夜は若手のグループでつくる福島県人会の集いに参加。
 
K大学工学部の修士までやって、なぜか、いま立ち喰いそば屋をやっているTさんに乃木坂長寿庵のそばを食わせたくて、一足先に事務所で落ち合う。ところがいつもながら話が弾んで、日本酒をやりながらつまみをつまんでいると、そばを食べる時間がなーいw
 
春には銀座にも2号店を出すというので、会場へ向かう途中、出店予定の店をのぞく。およよ。オレが銀座にくるとよく通る界隈。これは日本橋の店より便利…。
 
その後、ほぼ時間通りに松屋裏手にあるイタメシ屋へ。
 
前回、いわき祭の前に見知った方もいるし、新しい人たちもいる。会津若松から福島、郡山、白河、いわきといった地域の出身の方が中心。前回知り合って、いわき祭では最終日の片付けにかけつけてくれた、いわき市出身のFさんとも合流。久々の再会という感じがしないのは、FBでつながっているから。

Fさんに、いわき駅前で、「夜明け市場」という昭和飲み屋街を企画して展開しているSさんを紹介してもらう。実は、12月、2度目のいわきへのあいさつ回りのとき、海鮮問屋のOさん、地元紙のK部長さん、アートディレクターのIさんたちに案内してもらったところ。Sさんが、Kさんにもお世話になっているという話しで距離が
縮まる。

急遽、用件ができて、店を一足先に出たのだが、少しいったところで、呼び止められる。会津若松を地盤にしている参議院議員のOさんが名刺交換をしたかったらしい。そういえば、前回秘書の女性に、会津のこともやりますよ…と声をかけていた。
 
議員の知り合いにも映画監督がいて、会津でも映画をやりたい…その一言に、寒空の下、しばし談話。
 
途中退座したから、そのあとどういう展開だったのかは知らない。
 
オレがいる間、35人ほどの集いで、小難しい原発の話題や被災の話題が語られたわけではない。しかし、言葉にしなくても、心の内でいろいろな課題や忸怩たる思いを抱いて、ここに集っている…という印象を受けた。
 
福島を描くのに大事なことはそこにあるような気がしている。表向き、日常をしのぎ、なんとか普段と変わらない表情をみせながら、実は心の奥でさざめいている感情…。それはさりげないが、どこが普段と違う、日常を生きる姿の中に浮かびあがるのではないか…そう思っている。
 
放射能という見えない恐怖は、まさに、当り前の日常の見えないところでいのちを侵食するものだからだ。だが、それは福島に限ったことでは、もはやない。にもかかわらず、風評という差別と偏見、排除も、そこを温床として人々の中に広がっていく。

そこを突き詰めれば、この国のあまりにお粗末な政治や行政、経済のしくみや市民意識、公民意識のていたらくが浮かびあがるのではないかと思う。
 
が、しかし。その中にあっても、どっこい人は生きている…。最後には、そんな福島が描けたらと思う。