秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

サイファ 遠い声

年末の押し詰まったところで、あれこれ起きる…というのは決して珍しいことではない。
 
今年はとくに、世界のしくみ、あり方が大きく変わるときを迎えている。冷静に振り返れば、今年という年が世界にとって、大きな転換地点にあることをだれも否定しないだろう。
 
問題は、そのことに人々がセンシティブであるかどうかだけだ。今年が世界の未来を決める一大転換のときだ…と自覚できるかどうかだ。

世界に起きる事象、それは一見バラバラに見える。宇宙に浮かぶ星々が一見、それぞれが何の作用も持ちえないで、そこにあるように。そして、世界で起きるバラバラの出来事が自分の国や社会、地域、家庭生活には無縁のものだと考える。
 
あたかも、遠い宇宙の何万光年、何億光年の世界は、この地球とは無縁であると考えてしまうように…。
 
その鈍感さが、人々をこれまでのシステムや物事のとらえ方、考え方、生き方、生活の仕方に呪縛する。呪縛されているという自覚もないままに…。
 
オレは、宇宙で、世界で、国で、社会で、地域で、家庭で起きる様々な事象、事件、出来事の一つ一つをよくサイファ(暗号)という言葉で例える。
 
数学の命題、リーマン予想にせよ、物理学の未発見粒子、ヒッグズ粒子にせよ、その手がかりの始まりは、サイファだった。
 
リーマンが自然関数と素数になにがしかの関係性があるのではないか…と考えたのは、微妙に符号する素数配列と自然関数との間に感じた、ある違和感だった。ヒッグズ粒子発見への挑戦は、素粒子物理学の中で、その姿はとらえなれないものの、粒子に質量を与えるなにものかの存在がなければ、宇宙の誕生はないという予見だった。

人々が感じる違和感、予見…そこに宇宙の、生命の、オレたちの生活のしくみと謎をとく、サイファがある。それは、いいかえれば、目に見えない何か、神とか、宇宙の神秘がオレたち人間に、全宇宙に投げかけている、問い…暗号だ…とオレは思う。
 
サイファを拾い、そこから与えられた命題をバラバラにとらえるのではなく、何がしかの体系が潜んでいるのではないか…宇宙や地球や社会や、人々の未来への信号が潜んでいるのではないか…。
 
知性とは、そこにあり、感性は、そこにこそ、生まれる。そして、幾人かのセンシティブな人々の共通感覚が集合し、結集し、発見や謎の紐解きが火種となることで、世界が、国が、社会が変わっていく…
 
今年起きた様々な社会現象、事件、事故…。変化に鈍感な国には、未曾有の災害が襲い、変化できない国では独裁政権の書記長が亡くなる…。

もう終わりにしよう…そして、市民が自分の頭で考え、自分の足で歩く時代を迎えよう。サイファの向こうにその遠い声が聞こえているのは、オレだけではない。