秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

時計をとめて…

10月に入ってから、毎日フル稼働状態になっている。
 
昨日は午後から深夜まで、仲間のKWと電話とPCで大いわき祭りのチラシ、ポスターの制作作業。いつものようにぎゃんぎゃんいうオレの言葉をするするとかわし、かわせないところは、だから、わかってるし!と小さくキレながら、奴は作業を進めるw
 
同時進行で、オレはプレスリリースの原稿を書く。前回、広報宣伝会議気仙沼出身で出版社につとめるSさんが、取材される側がいまどういうマインドなのかを説明した。
 
後で取材がしたくなるようにしましょう…。単なる客寄せのリリースをつくるのではなく、MOVEのきちんとした姿勢を示すことをしないと、いまのマスコミは動かない…。まさに、的を得ている。
 
震災後、いろいろなイベントや祭りがしかけられ、それなりに盛況にはなっていても、震災と震災後のこれからを眼中にいれてないない、催事や取り組みは、取材対象の興味対象には実はならない…そのことを彼はよくわかっている。
 
タレントや著名人がくれば、それにこしたことはないが、それだけでいまは物事や人が動く時代ではないのだ。そのことがわかっているのは、意外に彼のように若い人たちだ。ありがちなマーケティングや広報プランだけでは、情報を動かせない時代になっている。それがわかっていないのは、比較的経験のある連中。
 
ここにも、時代の転換に対する機敏な感性のありなしが現れる。
 
ましてや、オレたちMOVEの活動とその目指すものは、震災前の社会のあり方を大きく変えようとする取り組みを目指している。FB親友のKさんがいうように、行政が動かないことにいら立つのではなく、それが当然として、市民力の結集を図ることの方が大事だ。
 
現実に、今回、延期騒動もあって、多くのいわき市民が手弁当で参加してくれている。物産業者さんはもちろん、福島海援隊、被災のひどかった久ノ浜のよさこいスパリゾートOGで編成されたフラのチーム、湯本温泉旅館組合の女将さんのじゃんがら…かつ、赤坂在住のTくんが道案内をしてくれ、オレがかなり動いて、赤坂地域から著名ハワイアンバンドの参加協力ももらった。フラダンスチームも。そして、青山では名物イベントになっている郡上おどりも参加してくれることになった。
 
ほとんどが高齢の方たちだ。その善意の結集が生まれようとしている。それこそれが、MOVEが目指そうとしてる市民協働主義社会の実現への一歩なのだ。
 
異常な忙しさに突入し、まだまだ、決めていかなくてはならないこと、よびかけていかなくてはらないことが多い。まだしばらく、この緊張とストレスが続く…。実のところ、忙しいのもあるが、あれこれあって、よく眠っていない。
 
きっとオレはストレスがたまりすぎていたのだ…と、数日前、乱暴な言葉を使ったことを後悔している。それで、オレはこれまでもいろいろなものを自ら失ってきた。
 
子どもの頃、こんなことがあった。積み木遊びをしていて、たんねんに積み上げた積み木をオレは、よく完成してすぐにぐちゃぐちゃに壊してしまっていた。海岸で砂のや器をつくっても、それを壊すのが常だった。自然の揺れや波ではない。いずれ壊れてしまうことがわかっていて、それが怖くて、自分で壊すのだ。
 
失うことがこわい。きっとオレは何かのことで、そのトラウマを持ってしまったのかもしれない。
 
その思いがいつから一夜にして消えてしまう芝居のおもしろさにオレを導いた。生まれてすぐ、その場から一瞬にして消えてしまう舞台…。それは最初から守ろうとも、壊されることを恐れる必要もなかった。自ら消えていくからだ。
 
時計をとめたい…オレはずっと子どもの頃からそう思っていた。

しかし、それはオレをストレスない安心へとは導かない。自分という人間の、男としての度量の小ささに、向かい続けさせられる、いわき祭…。