秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

フラガールの骨太さ

ちょっと予定していた段取りが狂い、急きょ、日比谷公園へ。
 
スパリゾートハワイアンズフラガールがゲスト出演するハワイアンバンドの公演に取材にいく。いつもは、オレがZ1やZ7のカメラを回すのだが、今回は、あるイベントで流す映像になることもあり、秀嶋組のHカメランに収録を頼む。

昨日、代官山のスタジオにいってレンタルしてきたZ7とHカメラマン。当初、ここまえやるとは思っていなかったが、クオリティを確保するには仕方がない…と思っていた。すると、担当の企画部長がSONYから出ているフラのDVDの権利は自社にあるので、自由に使ってください…との言葉…これはありがたい。
いま、フラガールは20名の体制。それを2チームに分けて、全国キャラバンを展開している。前回、いわき市スパリゾートハワイアンズで収録したときは、20名体制の本格的なショーだった。キャラバンではそれが二つに分かれる。
 
そのプリマに取材。被災したフラガールもいる中、全国キャラバンがすぐにスタートして、きっと彼女たちの中にはいろいろな葛藤があったのだろう。気持ちの切り替えに苦労した様子がふとした言葉に読み取れた。

おそらく、そうしたドキュメントはテレ朝、フジが追っかけ取材をやっているので、どこかでオンエアーされるに違いない。しかし、それがフラガールの彼女たち…という視点でやるのか、いわき市に生まれ育ち、フラガールを見て育ち、そして、いまそれを仕事としているいわき市若い女性のひとり…としてとらえるかで大きく違う気がする。
 
彼女たちは、フラガールである前に、ひとりのいわき市民…オレはそう思う。
 
友だちや親、そして親戚縁者…みな、いわき市で暮らし、その中で育ったひとりなのだ。スパリゾートがどうなるか…ということも大事だけれど、きっと、自分の知り合いや家族のこれからも心配に違いない。
 
いわば、どこにでもいる普通の女性だし、すべてが使命感に燃えているわけでもないと思う。いわきの女性はそう知らないが、オレがこれまで取材したり、出会った女性たちは、みんな逞しかったし、現実的だった。
 
ヘタなロマンで彼女たちのいまとリアリティが描けるとはとても思えない。しかし、その骨太さがあるからではないのか…とオレは改めて思った。
 
ステージのクオリティの高さ。それを支える見えない厳しい訓練。単なる地方のフラダンスチームという粋を軽々と越えている。そこには、いわき市という生活の場に根を張った何かが彼女たちにあるからではないのか…
 
東京を見るのではなく、自分たちの足元を見続けてきた…その骨太さ。それが見る人に、ある確かさをしっかりと伝えているのだ…そんな気がしたのだ。

普通の女性が厳しい訓練を経て、人の目に体をさらす…それは俳優という仕事でもそうだが、自分の立ち位置と構えがしっかりなくてはできるものではない。
 
訳知りな顔をした、現実味のない言葉だけの芝居やチャらい芝居をやっている連中に、ぜひ、この姿を見て欲しい。彼女たちに役名はない。ただあるのはフラガールという言葉だけだ。それでいながら、これだけの身体性=演劇性をつくりあげている。
 
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