秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

奇跡のような展開…

昨日も朝から連絡業務と資料つくりに追われる。
 
出演団体、参加業者さんへの当日の対応についての説明書…
 
7時過ぎに作業が終わり、FMいわきが手配してくれた団体や業者さんへの対応をお願いしする。そして、懸案になっていた、いわきから参加していただく市民グループの交通費のことについて、電話でやりとりしていたときだった…
 
海神乱舞(わだつみらんぶ)というよさこいソーラン踊の主婦グループがFMいわきにきて、今回の大いわき祭のことで、こんなことを話して笑っていましたよ…と担当の局長が教えてくれた。
 
「秀嶋さん。みなさん、燃えてますよ。震災後いろいろなところに呼ばれて、今回初めて東京で踊ることになったことが大きな目標になってるって、みんないってます…」
 
秀嶋さんたちがやってくれていることに、市民は本当に感謝しているんですよ。みんな自前で電車でいくっていってくれてます。秀嶋さんたちが手弁当でいろいろなことをやって、いわきのためにこんな大きなイベントをやってくれる。それに少しでも役に立つなら…そんな気持ちなんです。
 
A局長さんは、そう続けた。そして…「みんな元気がいいんです。避難所から通って踊の稽古をしている人も多いのに、家のことほったらかしでやってるよってだれかがいうと、大丈夫。家は震災で燃えたから、家から文句をいわれることはないから…みんな大声で笑いながら、そういうんです。笑いごとじゃないのに、笑いにかえて、今回の大いわき祭に情熱をそそいでいます…」
 
オレが、その話は、泣きそうですよ…というと、局長は真剣な声になって続けた。
 
「いや。ほんとにそうなんですよ。遠野の協同組合の理事長も、自分たちのためにここまでやってくれる人たちがいる…そのことに、本当に感謝しています。みんな、そう思ってますよ。こんなに大変なことを、仕事でもないのに、必死でやってる…わかってますから…」
 
オレは、実は、そのときにはもう涙がとまらなくなっていた。市の対応に不満を感じたこともある。港区が驚くほど、備品を用意していないことで動揺したこともある。そして、仕事どころではなく、このイベントの実現のために、毎日胃の痛む思いも続けてきた…
 
嫌な思いも、悲しい思いも、いろいろな不満や不安も抱いてきた。まだまだ、作業はたくさん残っている。しかし、その中で、局長さんが伝えてくれた言葉の真摯さと思いの深さは確かなものだった。

湯本温泉旅館の団体はマイクロバスで自前できてくれる。ほかの団体もレンタカーで来ようかと検討を始めてくれた…赤坂や町田から参加してくださる団体もほとんど自前での参加だ…
 
8月開催の延期から2ヵ月…当時では考えられない展開がいま奇跡のように生まれている。