秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

楽しみにしている

昨日は就活で苦労している息子がオヤジと話をしたいと訪ねてきた。役員面接や経営者面接までいった会社もあるらしいが、最終の内定がもらえない。
 
昨年、じつに偏った就職活動をやって全敗した反省で、就活範囲は広げているとはいて、どうも、自分の特性や性格を生かせる会社、また、自分を求めてくれる会社の選択がしっかりしていないように思えた。
 
苦難の原因は、その二つ。現場担当者レベルでは、上の面接に押し上げてくれているのに、肝心の経営陣やトップとの面接ではねられる。そのわけは、日本、世界の政治経済の現状についてのコメントがしっかりできていないからだ。
 
知識がないわけではない。だが、学部でもそれを学びながら、しっかりした自信を持ててない。そのため、言葉がでなかったり、いい淀んだリしている。
 
いま雇用形態が多様になり、派遣でも十分間に合う高度な仕事もある。将来、企業を支える人材は、現場や日常のルーティンで能力以上に、企業の未来、企業の経営に参画できる能力があるかどうかだ。正社員といういわば、抱え込みをするリスクを冒すためには、そこまでの幅が求められている。
 
どうも息子には、そのことがわかっていない。また、選択の基準もあいまいで、いままで自分が大学で学んできたことをどう生かせるか、そのキャリアを求める企業はどこかなのかを学習していない。
 
オレが変わってやれることでもなく、自分の道は自分で拓くしかない。できるのは、そうした、弱点と課題を指摘し、その対策として、たとえば…という事例を教えてやることくらいしかできない。
 
本人はじつは相当、ダメージを受けているのだろうが、就活という価値もひとつの価値の尺度でしかないのだ。いろいろな人生の生き方や進み方があることを思えば、そこでまだ縁をもらえてないということは、また別の縁がどこかにあるということ。
 
少しも悲観することでも、他と比較して、落ち込むことでもない。
 
就活に2年をかけているが、それが奴のいずれ財産になる。オレはそう思っている。

縁故や紹介をもらえる相手がオレ自身いないわけではないが、それでどこか安全な会社に入ったところで、かえって、自信を持てなくなるだろうし、縛りの中で生きていかなくてはいけなくなる。それはしない方がいい。それは息子も同じ考えだ。
 
3ヵ月ぶりに息子と二人、近くの韓国料理屋で飲みながら、参考になったかどうかわからないが、いまオレがいえることを伝えた。

来年の春、奴がどういう人生をスタートさせるのか。それが正社員という就職ではなかったとしても、オレは楽しみにしている。