日本の夏のじめじめした事件
なんでぇ~というくらい、暑い。そして、蒸す。
台風が近いづいているせいもあるが、このじとっとした陽気には本当に参る。
大学のとき、オレは英文科に進んだが、教養学科時代に演劇関係の講座をとりまくった(当時、内の大学は東大と同じで教養が2年間だった)。かの河竹黙阿弥の子孫である河竹俊夫先生の日本演劇概論もそのひとつ。
その解説をするのに、河竹先生は、日本の夏のじめじめした陽気を引き合いに出した。べとべとと肌にまとわりつくような湿った暑さ…。それがなければ、あの怪談は書けてはいない…と講義した。確かに。
歌舞伎評論家で演出家の武智鉄二や歌舞伎研究の第一人者だった、鳥越先生も同じ論調だったし、後に出会った鈴木忠も同じだった。そして、演劇科に進んだオレのかみさんが受けた講義、ガハハの和田勉も同じ意見だった。
じとじとした湿気と熱気は人を狂わせる。貼りつくように肌を伝う汗と臭い、そして、むせるような動かない空気…。人は恒常ではいられない。
じとじとした湿気と熱気は人を狂わせる。貼りつくように肌を伝う汗と臭い、そして、むせるような動かない空気…。人は恒常ではいられない。