秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

マスコミのがんばろう

様々な報道機関やシンクタンクが日本人の意識調査をやっている。
 
震災前と震災後で人々の意識に大きな変化がある…一応にマスコミはそうした報道をしている。が、もっとも電力や人的資源、物理的資源を消費するマスコミそのもののこれまでのあり方を反省したり、自己批判する言葉はない。

先般の永田町騒動のときには一斉に政治家、政党批判を繰り返すだけだし、原発事故では東電・政府VS被害者といったわかりやすい構図を連呼するばかりだ。
 
節電対策で、大型オフィスビルでは午後6時には空調が停止し、うだるような部屋で夜遅くまで仕事をしていると聞いた。製造業はサマータイムに切り替えているところも多い。
 
先日、衆議院議員会館へ向かうタクシーの中で、ドライバーの方に尋ねたら、震災後、夜遅い時間に乗車する客は激減していると話されたいた。リーマンショック後厳しい情勢になっていたところへ、震災。受注業務が減った、経費削減のために、リストラや事務所移転を考えている…という企業も少なくない。

それは、広告収入も減り、経費削減をいわれているマスコミも同じだろう。しかし、マスコミに登場する人間は、彼らが自分たちの責任は棚上げにして批判する政治家と同じように、いますぐ生活に困窮する心配もないし、中には、庶民とはかけ離れた収入を得ている人間も少なくない。

自分たちのいまのあり方、これまでのあり方を振り返ることなく、資源、環境問題や政治のあり方を批判している。
 
福島の子どもたちを原発放射能汚染から守ろうとした俳優が仕事を干され、マスコミを批判するような評論家はスポイルされ、出番がない。思うことがズバリいえない規制のなかで、ズバリいいますと反省もないまま人を批判する。
 
まるで、情報規制や大衆操作の道具としてしか、いまのマスコミは機能していないのではないか…そんなことで、報道やマスコミの良心というものは成立するものなのか。一方で著名なタレントや歌手グループをつかい、各局が応援メッセージを流している。
 
そこにあるのは、がんばろう…だ。前にも書いたが、人々は十分がんばっている。自分たちのあり方を見つめ直そうともしていないキレイごとで固めた世界で、そんな言葉はいってもらいたくない…そう思うのはオレだけだろうか。

がんばろうは被災地や困窮しつつあるこの国の人々への言葉ではなく、マスコミ自身へ向けるべき言葉だ。変われよ、マスコミ。がんばるのは、お前らだろう。