秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

寒さ凌げず

天気予報に裏切られ、雨の中、自転車を走らせ自主企画作品の打ち合わせに向かう。帰路は傘をさしての片手運転。

子どもたちに民主主義の根幹を教える、中学校公民科の作品のため、議員や国会での収録の手配をお願いしているYさんとOさんと打ち合わせ。来春にリリースするため、通常国会までには、あれこれ取材を終えなくてはならない。その段取りとこちらの意向をお伝えする。

今国会は、開催してから、あれやこれやと民主党批判が続出している。煽っているのは、マスコミのおバカと自民、公明。

鳩山の政治献金問題や小沢秘書にからむ贈収賄容疑に始まり、来年度予算編成のための仕分け作業、オバマとの対米交渉にからむ普天間基地問題。そのいずれも、答弁が明確でない、方針がぶれている、基準がみえないと批判の大合唱だ。

生産的な批判や議論はいいが、自民党公明党参議院選挙をにらんだ、次元の低い中傷合戦の域を出ていない。自民党の大島幹事長が、仕分け作業を単なるパフォーマンスに過ぎないと愚かなことをいっているが、これまで自民党税調という密室の中で、国民生活を無視した利権の奪い合いしができていなかった自分たちへの反省はまったくない。

検察の特捜を意のままに操る公明党は、鳩山、小沢の疑惑ばかりを追及している。それは検察の捜査にまかせればよいこと。いま、この国は、政党同士、議員同士が足をひっぱり合う、ネガティブキャンペーンのために国会の時間をさくゆとりはない。国会の開催時間は、国民の税金が支えているのだ。

失業、倒産が留まるところを知らず、就職、雇用が統計以来の減退を示している中、いまやらなくてはならない手当てを優先させ、国民生活の基盤を立て直すことが急務。仕分け作業で、自分たちの活動費、運営費が削られたと目くじらを立てているが、来年度予算がそれで決定するのではない。

行政刷新会議財務省予算編成→与党の承認→国会での議決、という過程での最初の一歩に過ぎない。その最初の一歩がズブズブの馴れ合いや寛容さだけでどうする。あれこれ問題が出て、これまで国民に見えず、関心のなかった予算編成とその内容が広く国民に公開されていることの価値と意義、そして、段取りが見えていないし、わかっていない。

執行予算をとめられては、国益が損なわれるなどとバカなことをいっている輩がいるが、いまこの国を立て直さずして、何の国益があるというのだ。病人に薬を与えず、走り続けて、その先に何がある。まるで、戦時中の軍部が戦争続行を主張し、国民生活をどん底につき押したことと同じ発想で、ものをいっている。

民主党が昨夜、中小企業の融資や個人の住宅ローンの支払い据え置き措置によって、窮乏している中小零細や個人を救済しようとする法案が強行採決された。そのことを、またも、おバカなマスコミは、これでは、かつての自公独裁と同じ政治手法ではないかと批判する。

自公がやってきたのは、国民生活のためにではなく、政治家や官僚、省庁、天下り法人や一部の支持母体の権益を守るための強行採決民主党があえて踏み切っている強行採決で守ろうとしているのは、財界や大手企業、公益法人の利益ではなく、国民生活。そこには、雲泥の差がある。

またもおバカなマスコミは、それをああだこうだと、批判の材料とするだろうが、そもそもマスコミに登場している人たちには、借金の苦労も、明日の生活が見えないという辛酸もない。そんなところで、いかにも国民の代弁者のごとく、政治構造の本質をみないまま、政権を批判している。

いま庶民の生活は、それほどに追い詰められている。年間3万人以上の自殺者を出し、防止法案は前国会で採決されたものの、今年の自殺者は昨年を上回る数になっている。

これは自殺ではなく、社会が生む他殺だ。それほどに人々の生活が困窮している現実を、マスコミ報道は己の恥を持って、知れ。

昨日の小雨降る寒ささえ、十分に凌げず、追い詰められている人たちがこの国にはいるのだ。