秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

強気でタフでなきゃ、やだ!

午前中、某国立大学の博物館へ。東映のCプロデューサーと年始の初仕事になった。
 
打ち合わせから戻り、資料づくり。久々、自主作品もまとめてオーダーが入る。年度末決算へ向けて、今月から3月に動いてもらえないと、制作コストに見合わない。
 
バタバタと配送の手配をしていると、芸能プロダクションの営業担当が近くにきているからと、顔を出す。続いて、別のナレーター会社の担当者から面談のアポとり。
立て続けに、編集機器関連の会社から営業のあいさつに行きたいという連絡。
 
年明け、旧来の顧客や得意先へのあいさつまわりが先週で終わり、今週からは新規開拓や追加営業のための顧客掘り起しといったところか。
 
映像関係は、予算も抑えられ、かつ、制作本数も押しなべて激減している。制作が減るということは、結局、俳優の事務所やナレーター事務所にも影響が及ぶ。売上が落ちれば、編集スタジオも設備投資へ資金を回せない。
 
まるで、いまの業界を象徴するような営業問い合わせ。同時に、今年は少しでもよい状況に変えていきたいという意気込みも感じる。
 
ややお疲れ気味になっているオレなどは、逆に見習うべきことだ。と、思っていたら、共感覚の天才、MKちゃんがめずらしくメールをくれた。最近のブログを読んでいると激しさや棘がないというのだ。
 
直感なのだろうが、「どうかした?」という指摘。基本、そのとき心に思っていることをあからさまにはしていないが、できるだけ心のおもむくままに、綴ろうとしているから、内にあるなんとはない、ニュアンスや印象が漂うのは仕方がないと思っている。
 
MKちゃんに限らず、オレのそのときそのときの心の動きを見透かしている連中は少なくない。が、人並みはずれて、勘のつよいMKちゃんは、きっと、その先の先までぼんやりながら見えてしまったのだろう。
 
渋谷の打ち合わせの予定が変更になったからと直電をくれる。それだけでも超めずらしいこと。渋谷のカフェで軽く飲みながら、初めて、MKちゃんに相談に乗るよと、マジ励まされる。なんだか、いつもと立場が逆。
 
仕事が思うように運んでいないとき、仕事以外の自分のやろうとしていることがうまく進まないとき、何事かを成し遂げたいと思っている男なら、へこみもするし、落胆もする。57歳という年齢は、若いともいえるし、老いの始まりともいえる。そうしたときには、いろいろと考えてしまうものだと思う。
 
60歳停年退職前後のサラリーマンの方ならわかるだろうと思う。オレはサラリーマンではないが、仕事も作品も10代の後半から走り続けてきたから、別の事情であれこれ考えてしまうことも多い。
 
という説明をするには、時間もなく、オレを心配するMKちゃんに、別れ際、出会って初めてごちそうになる。オレは、そんなに弱っているように見えたのか…? 
 
強気で、タフじゃないと秀嶋さんらしくない! MKちゃんの言葉は、確かに、いい励ましだ。
 
が、しかし。それほど弱っているように見えたとしたら、オレ自身にその自覚がないのが、もっと、やばい。