秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

憂歌団が教えている

実務段取りで使う脳と原稿にむかったり、カット割りを考える脳の働きは違う。
 
高校生のころ、役者を目指したが、オレには、どうしてもぶっちゃけというのができなかった。役者をやりながら、実務のことが頭をよぎり、周囲の段取りが気になってしまう。演出の段取りが悪いと、なお役者に専念できない…
 
ということがあって、演出をやる方が自分に向いている…と思ったのだが、やりたいと思える作品がない。ならばと、まずは才能のある先輩の本をやる。つまり、自分の描きたい作品を書ける作家をみつける…ということをやった。
 
が、しかし。プライベートが忙しくなると、その先輩が作品を書かない。ならば、オレが書く…と書くことも始めてしまった。
 
以来、オレの脳は、実務の脳とものをつくりだす脳の働きの両方をやるようになった。もちろん、使う場所は違う。前頭葉で実務をやり、視床下部と向き合って作品をつくる。
 
てなことを、20歳そこそこくらいからずっとやっていて、生活のために映像会社に入れば、お前、経営者に向いているからと、本格的な実務をやらされ…ところが、勘弁してくれるかと思ったら、お前しかいない…と制作全体をみることになり、みれば、どうしても、こうでなくてはおもしろくない…などとやりながら、社員プロデューサーらしくスーツにネクタイで、企画の立ち上げの打ち合わせなどをやっている。
 
だれも信じないが、サラリーマン時代から独立して40代前半まで、約15年の間、撮影以外の現場ではどこにでもスーツだったw 編集にいっても、オフィスにひとりしかいないときでも、スーツ。ま、いつクライアントに呼び出されても、いつクライアントと会ってもいいように…という配慮だ。
 
それを40代前半でぱっとやめてしまった。作品づくりの脳にシフトしようとしたから。以来、うちの会社は低空飛行を余儀なくされるw CMや広告系の仕事では、スーツが必要だからと、やめてしまったのだから、当然。
 
が、しかし。ここまで会社を続けてくると、どうしたって実務の脳がいる。そろそろ、オレも時間がなくなってきているから、使う脳を限定しなくては…などと考えていると、ふと、こんなバンドのことが頭をよぎるのは、やっぱ、オレが、本当は実務の人じゃないから。