秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

クランクイン女優発見

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自主作品のクランクイン。

短編物3本とはいえ、トータルすると1時間程度になるシリーズ作品。うちの会社の自主にしては、それだけでも、それなりの作品。本来なら、東映など大手映画会社、社会映画の制作会社が手掛けるような作品だ。

つまり、うちが普段、受注する社会教育、啓発作品と同じ規模のもの。それに昨年秋から挑戦をした。制作費の面では、薄氷もの。資金がある中ではない、挑戦。ある意味、無謀といってもいい取り組みだろう。

受注、あるいは監督として関ることはあても、リスクを負ってここまで大きな制作をやり、大手並のラインナップをそろえるのは、初。毎年リリースしている「いじめ」関連の新作もすでに完成し、中学校社会科公民のシリーズ作品2巻も最終の編集確認段階まできている。すでに、春の教材展への出品作品の中に東映の宣伝担当でもある、プロデューサーのKさんが入れてくれている。

人に説き、人に示唆し、人に何がしかの影響を与え、自分の信念を語る者は、自ら、それを実践しなくてはならない。オレはそう思っている。

もちろん、自分は天才でもなく、事業家としても、監督としても、特段秀でた才能があるわけではない。単に、人並みの知識があり、ビジネスシーンでのいろいろなありがたい経験をかつてさせてもらっただけだ。それと、少しばかりの文章を書く能力と人に恵まれているという幸運があるだけ。

だから、完璧にそれらをこなすことも、順風満帆にこれまでを生きてきたわけでもない。失敗もあれば、挫折もあり、自分の脆弱さから、周囲に迷惑をかけている。

それでも、自分の言葉の一つでも、実践できるところは実践する努力をしなくてはいけないと思う。少しでも、人間として、前進でき、人に役立つことを心がけなくてはならないと思う。

だらしなくなることもある。心が折れたり、砕けたりすることがないわけではない。だが、闇の中でも理想を、夢を、明日を、そして、どうしようもない自分を、最後は信じなければ、自分が生きてきたという意味がない。

明日を悲観して生きるよりも、今日を大切にし、明日くる朝を信じて生きる方が、いいに決まっている。その単純なことに、真摯でありさえすれば、天地人は、やがて整う。それは、きっと、だれかがそうしてくれるからではなく、自分の心が整うからだ。

そんな思いで取り組んだからだろうか。いい若手女優に出会った。この間、オーディションで、おや…。と思った俳優。

所属している大手プロダクションは、これまでもいろいろと付き合いがあり、エコヒイキで結構、使っているが、彼女は、明らかに、そこのチャライカラーではない。現場で演出をつけながら、最初に感じた、おや…。が、おや…ではないことを確信する。

基本、そういう役者はいい芝居をするし、する可能性が高い。これは、演出をする人間にしかわからない。演技する者、演出をつける者の間で、言葉にならない何か、演技の共通の感覚を共有する瞬間がある。それは、ほぼ、確かな逸材に育つ。きちんと育てばだが。

実は、オレはいつも、企画している映画作品や再演を考えている舞台作品の役者との出会いへの期待が頭の中にある。この俳優なら、この役に使えるのではないか。それは著名な俳優から無名の俳優まっで同じだ。いま秀嶋組の作品に頻繁に登場させている俳優陣もそうしたオレの意識で、巻き込んでいる。

ワークショップもそのためにやろうとしている。

だが、彼女がスターになるといっているのではない。何年後、硬質な、がっちりした作品の芝居をやれる女優に育つ可能性がある。オレも仕事をしたことにある、中島ひろ子の若い頃の芝居を思わせる確かさがあるからだ。

吉川奈穂。まだ19歳。タレント仕事のチャライ作品でなく、今回のように、厳しい作品をいくつも経験することだ。