秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

イノベーションの壁

アニメ会社経営のKさんから頼まれた、ドラマ企画の調べ作業。アマゾンで数冊の資料本を購入。夕刻、東映のKさん、Sさんが来訪。
 
年に何度か、秀嶋カフェ飲みをやっている。例によって、鶏塩鍋。Kさん、Sさんもつまみを持ち寄ってくれた。
 
社会映画、教育映画は、一般市場よりハード機器の出足が遅れる。行政関係や学校関係の視聴覚設備を新しくするのに、予算の稟議や議会の決議がいったりするから。
 
そのため、VHSの商品オーダーがいまでもある。が、さすがに昨年当たりからそれも減り始めた。ということで、うちにもあるVHSの在庫をうまく処理する知恵はないかと、あれこれ語る。
 
すべての団塊世代がそうではないが、新しい取り組みやいままでと違った戦略を実行しようとすると、ほぼその障害となるのは、頭の固いこの世代前後の人間だ。
 
いい、わるいではなく、自身の成長過程が、高度成長とシンクロしているため、それまでのやり方、考え方で、うまくいった経験がある。そのため成功事例に疑いを持つことがない。
 
同時に、管理職や役員になって、現場仕事から離れてしまっているから、情報に疎い。その下の40代世代は、基本、いい子教育を受けてきた最初の世代で、この団塊前後の世代に頭があがらなかったり、異常に拒絶反応を示したりする。
 
つまりは、何事か新しい取り組むをしようとするとき、意思疎通と組織が硬直していて、思い切った転換がなかなかできないことになる。胸襟を開いて、落ち着いて話し合えば、齟齬を越えることもできるのだが、ルーティン化してしまった人間関係の中では、それはなかなか難しい。
 
団塊世代は上意下達が好きだから、下からの意見を聴いているふりをしながら、ほとんど聞いていない(笑)。
 
結果、現場の声、若い連中の声が届かない。届かないから上げようとしない。いっても無駄という徒労感をよく知っているからだ。
 
イノベーションの壁は実は、そんなところにある。だれもが、いまのままではいけないとわかりながら、それを牽引したり、実行へと移す、ゆるやかさや自由さがないのだ。
 
東宝の若手ながら、ヒット作を連発している川村元気プロデューサーの例を挙げながら、そんな話題で団塊世代前後が盛り上がっている。
 
社会をダメにしたのも、この世代。よくできるのも、この世代。