秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

荒ぶる魂は、いまだ健在

2月末に徳島で実施される、オレの映画の上映会と人権啓発教育推進センターのシンポの段取りで連絡業務。
 
前回、京大のM教授とのシンポだったが、今回は、オレの作品に何度か出演してもらっている、作家の宮崎学氏と地元で農業高校教諭をやりながら、鶏や豚の飼育と解体実習を行っている先生との3人の対論ということになった。
 
宮崎さんと懇意にしていることもあって、下打ち合わせの段取りを所属事務所の担当者とやりとり。2月初旬に都内の某ホテルラウンジでやることになる。
 
宮崎学をあまり知らない人もいるかもしれないが、『突破者』という自伝小説で有名。早稲田の民青(共産党の青年組織)として運動していたが、当時共産党は武力闘争に反対し、学生組織にもそう指令していた。
 
学費値上げ反対闘争から火がつき、早大100日闘争があったとき、過激派がゲバルト闘争をやる中、もやしっ子のようにいわれていた軟弱な民青の中で、ヘルメットとゲバ棒で体育会のバリケード崩しに立ち向かった男がいた。それが宮崎学だ。
 
その後左翼闘争の軟弱さに愛想を尽かし、京都の稼業、土建業を継ぐが倒産。その後、やくざの地上げ屋など裏社会を生きて、ジャーナリズムの世界へ。地上げ屋の頃、やくざの抗争に巻き込まれて、拳銃で腹を撃ち抜かれている。
 
というと、一筋縄ではいなかい男を連想すると思うが、実にピュアな人だ。年相応のしたたかさはあるものの、弱者や半端者を見るその目は、いつもやさしい。
 
いまは、小沢問題に対するマスコミ、検察の恣意性、情報操作による大衆先導、民主党の内紛に裏にある、菅政権の脆弱さを批評している。
 
数年前に病気をしてから、からだと相談しながらの活動。宮崎さんのことだから、この仕事受けてくれると、携帯に電話したら、いつもの元気な声が聞こえた。初めて会って、オレが宮台真司氏などと交流があり、かつ、大学の後輩だとわかると、次にかかってきた電話から、「お前、元気か」。
 
今年68歳。語り残すことのない人生を生きようとする、荒ぶる魂(早稲田ラグビー部の部歌「荒ぶる」)には学ばされる。