秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

泥棒市の夜

夕刻、渋谷東急インのレストランカフェで、テレビドラマ、映画企画、教育アニメの打ち合わせ。
 
アニメ制作会社社長のKさん、年末年始と飲み会や打ち合わせ続きで時間がとれず、なんとか空いた時間ができて、新年の初顔合わせ。
 
Kさんの友人で、日本紹介の映像作品を制作、配給し、日本文化の紹介にも一役買っているユダヤ系カナダ人から、ドキュメントでフィーチャーしたい人物がいると相談を受けたらしい。
 
実は、その人物のことをあるテレビのドキュメンタリーで知っていて、ドキュメント映像化するのは、二番煎じになるからと、切り口を考えてみようと提案していた。
 
調べてみると、おもしろいネタがあった。それをKさんに伝え、2週間ほど、資料集めをしてから再度打ち合わせすることに。
 
あれこれ、情報交換と企画打ち合わせをして、新年初顔合わせだしと、Kさんに誘わわれ、Kさん馴染みの小さなイタリアレストランへ。さすがわ常連。料理は頼まず、おまかせで、次々に出てくる。
 
ワインを一本半空け、ほどよいところで解散。すっかりKさんにごちそうになる。
 
Kさんのプロフィールは実におもしろい。映画の配給の仕事に始まり、宣伝やPRをやり、途中、学生時代からの夢で、アメリカにわたってジャズの修行に出た。だが、あまりのレベルの高さに、断念し、映画制作からアニメ制作へと、そのときの人との出会い、仕事との出会いをいかして、ここまできている。
 
映像作品は、本がすべてだという話から、脚本は譜面、監督・演出は指揮者、俳優は楽器、編集は音楽という、オレのたとえに、ひどく共感していた。二人一致したのは、音楽がわからない奴には、いい本も、いい演出も、いい編集もできないという話。
 
音楽に風景があるように、芝居の風景にも音楽がある。
 
ほどよい酔いの中、ポルトガル熱にうかされているコレドのオーナーMさんが企画した、「リスボン泥棒市」をのぞく。
 
早い時間はにぎわっていたらしいが、すでに11時近く。カウンターに座る最常連のUちゃんとしばし、語り、客のいなくなった店で、Mさんと語り、閉店時間過ぎに帰る。
 
ふと気づけば、Kさんとの会話からずっと芝居の話ばかりしていた、静かな泥棒市の夜。