秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

悲しいときには ほほえみを

午後からブッティストの集まりで知り合ったSさん夫婦、Tさん、Fさんたちの忘年会に参加。
 
活動地域は違うのだが、なにかと声をかけてくるSさんの人柄に誘われて浜松町へ。浜松町で、12年というKさんがやっている、小さなスナック。Kさんとは一度だけ顔を合わせただけで、こうして話すのは初。
 
高校を卒業して上京し、溝口でOLをやりながら喫茶店を初め、やがてスナック、そしてバブル前から最中には、銀座で50席もあるクラブを経営していたという。外見、そういうやり手には見ないが、鹿児島出身の女性は骨がある。
 
いまは子育ても終わり、低廉で、くつろげる店を元気にやれれば、それが幸せと、本当に浜松町のオフィス街の脇にひっそりと店がある。
 
声をかけてくれたSさんは、長く腰痛で悩んでいる。歩くのもままらないほど症状はひどい。それでも、みんなのためにとこうした席を設け、互いの交流を深めようと心掛けている。病気で酒は飲めない。それでも、参加した方たちの元気な顔を楽しんでいるようにみえた。
 
参加した人それぞれが介護の悩み、仕事の悩み、あれこれ抱えている。それでも、陽気に笑い、冗談を言い合いながら、ひとときを楽しもうとする姿に、どこかなつかしく、温かなものを感じた。
 
韓国の民謡で「悲しいときには、ほほえみを」という歌がある。あるドキュメンタリー作品のタイトルにもしたことある。その言葉をふと思い出した夜。
 
芯のない政治、いつ開けるがわからいない安定しない経済。庶民の多くがその中で、これまでにない多くの試練や困難にぶつかっている。
 
そんな中、こんなふうに、少しでもいまをよりよく生きようとする姿の方が、人の力、庶民生活の底力を感じさせてくれる。