秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

平和へ向けたアプローチ

秀嶋組の要、照明のSと連絡がとれない。
 
映画の現場にいても数日後には連絡が入るのだが、今回は返信がない。すでに離婚はしているが病気のかみさんが孤独だからと、引き取り、介護をしながら仕事をしていた。
 
末期と聞いていたから、何かあたのでは…。外見や普段の陽気な姿に反して、へこむときは、途轍もなく落ち込むSのことが心配になる。自身、小児麻痺を跳ね返して、新人照明家賞にノミネートされるところまで、がんばった。
 
実は、弱い奴の気持ちやうまくやれない奴の気持ちがすごくわかる奴。その分、自分も落ち込むときは果てしない。ただ忙しいだけなら、いいのだが…。
 
昨夜は、T大学秘書のTさんとブッティストの勉強会に参加。勉強熱心なTさんは、クリスチャンだが、時折、オレや赤坂で会社をやるKさんのブッティスト仲間の話を聞いて、勉強会には参加してみたいと興味を持ってくれていた。
 
オレの所属するブッティストの集まりはバチカンとも交流が深い。そんなこともあり、Tさんも抵抗なく参加してくれた。
 
前回、勉強会の在り方をいまのままではいけないとクレームをつけ、参加者が参加してよかったと思える形にしてくれと注文をつけていた。つけた張本人である以上、参加しなくてはならない。
 
だが、昨夜の勉強会、いままでとは見違えるほど、活気にあふれ、参加しただれもが、参加してよかったと発表してくれた。
 
社会のため、地域のため、国のため、そして世界のため。できるチャネルはひとつではない。
 
文化芸術というアプローチによって、世界を変えることもできる。教育という地道な積み重ねも大事だ。根幹である政治、経済、国際関係はいうまでもない。しかし、そこには、宗教もある。
 
日本と違い、宗教が生活そのものであり、法や秩序の根幹となっている国々が海外には圧倒的に多い。その中で、世界を変えようと考えるとき、宗教的理解と融和、そして団結は無視できない。
 
オレは思う。人々を幸せにするためには、どんなジャンルにおいても、同じ質のアプローチが社会になくてはならない。政治、経済、外交、軍事、教育、文化芸術、宗教。そのどれにも、他者と結びつき、社会を変える共通点があるし、求められる。
 
無教養でアホな田母神のような輩の悪しき弊害に人々が気づきを持つためにも、それが必要。
 
照明のSのことを仕事以上に心配し、心を砕ける自分であるためにも、すべてのジャンルの平和へ向けた心の構えとアプローチがなくてはならないと思う。
 
人は威勢のいい正義では、しあわせにはならないのだ。世界は、対決と対立の中で平和と出会うことはできないのだ。