秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

14年

今日は、引越し日。

隣のマンションだから、大した感慨はないだろうと人は思うかもしれないが、昨日の夜は、目がさえて眠れまなった。

少しでも手伝いにくる連中に負担のないようにと、袋に入っている細々したものは運び、なるだけ段ボールと大物だけの簡潔な形にしようと、昨日を一日費やす。

部屋がだんだん空っぽの空気に近づくにつれ、42歳から今日までのことが思い返される。この14年は、オレにとっても、オレの身近にいた家族にとっても、怒涛と波乱の月日だった。

仕事の面でも、その内容は大きく変ったし、一時、人を抱えて膨らんだ経費や借金と、一人、このオフィスで格闘してきた。苦労は多かったが、その苦労の中で、折々にオレを助けてくれる人との出会いがあったし、また、別れもあった。

会社をリストラして、逼迫しているときは、支払いで迷惑をかけた、長い付き合いの方に罵詈雑言を浴びたこともある。遅れている消費税の支払い相談で税務署に、何度も顔を出して、強引な取立てに、悔しい思いをしたこともある。

それでも、オレは制作に関ることを止めなかった。自分の主義主張に反する仕事は切り続けた。そのおかげかどうか、周囲の理解と期待を持ってもらえるようになり、いろいろな面倒な問題が次第に解決していった。

そのあやふやながら、人に救われ、示唆に飛んだ14年に一つの区切りを付けようと、移転を思いたった。

移転先についても、これまでになく、オヤジのこと、相模原の家族のことなど、まじめに考えた。簡素、簡潔、スリム。それを徹底することで、自分らしい仕事に集中しよう。

そこで出会った、新しい創造空間は、意外にも、オレのすぐ身近かに現われた。

何か見えない力に、育てられた14年。そして、オレの成長を確かめるように現われた、新しい創造空間。

辛かったことにも、感謝し、自分の愚かさも振り返り、それを糧にして、今日、移転します。