秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

寒中修行

このところ、渋谷のハンズと六本木のドンキーをいったり、きたりしている。

ユニットバスの棚、便座カバー、収納用のケースや棚、寝室部分を仕切るためのカーテンレール代わりのつッかい棒とカーテンリングなどを、この1週間で購入。久々、自転車で右往左往しているから、いい運動になっている。

後は、粗大ゴミを出して、ホワイトボードをたたみ、机上のすぐに使う書類類、使う分だけ出してある調理道具や食器類、コンポ、テレビを引越し直前にまとめてしまえば、いつでも移転できる状態。パソコンなどの精密機器は手持ちで運ぶから、まとめてみれば、荷造りが必要なものは、意外に少ない。これも移動距離1分という利点。

結局、一番かさばる荷物は服と本、それに自主作品のパッケージ商品くらいだった。後は、箪笥やコピー機、本箱といった大物備品程度。

すでに収納で新しく買ったケースや棚は、新しい事務所に入れてある。節電用のコンセントも新たに3つ購入し、置いた。

その度に、新しい事務所に立ち寄るのだが、このところの晴天もあるが、やはり、部屋いっぱいに日差しが入り、外の景色が180度見える、このオフィスは居心地がいい。引越しを1週間、早めておけばよかったなどと思う。

昨年も書いたが、正式の正月は、中国でいう春節。日本でいう節分。陰陽道では、その年の変り目になる、1月20日から2月3日は、新しい年の始まる前の禊の時期だといわれている。

昨年一年、そして、これまでの自分のあり方や生き方を見つめなおし、これまで気づかなかった自分の足りなさや愚かさ、あるいは、自ら招いた悪縁を糾す時期だそうだ。

今年は、移転ということもあり、その感がオレには強い。毎年、この時期は、ブッティストとして寒中読誦修行というのに出ている。大寒の入りから節分までの一年で一番寒い時期に、朝の寒さに耐えながら、お経を上げるという仏教行事だ。

剣道をやっていた関係で、寒中修行は中学生の頃から馴染みの世界。だが、早朝、会場まで自転車で走る寒さは、さすがに応える。いまはまだ土日9時からしか、出ていないが、引越しの30日からは、毎朝朝5時には家を出なくてはならない。

しかし、この修行がオレは気にいっている。自分ひとりのためなら、きっとどこかで挫折するだろうが、何かの縁をもらい、いろいろな形で支えてもらっている、オレの周囲の人間の幸せを願うと、冷たい風にめげそうな気持ちも強くなる。

そして、改めて、オレの周囲にいる連中への感謝の思いが深くなる。不真面目なオレが年に一度、オレが出会ったすべての人のために、ささやかだが、できる幸を願う祈りの行動だ。

小沢が昨日、検察の参考人聴取にやっと応じた。自公時代からの検察との攻防や官僚の権威主義をじかに味わってきた人間だから、検察に対する複雑な思いがあったのはわかる。

しかし、今回の試練ともいえる一件は、どういう決着がつくにせよ、小沢本人にとっても、その周囲で神輿を担ぐだけだった連中にも、そして、民主党連立政権全体にとっても、いいことではなかったかと思う。

オレは政治は金がかかると思っている。よく、金のかからない政治をとなどと、きれいごとばかり言う連中がいるが、世界のどこを見渡しても、金のかからない政治などない。金の質や出所は問題だが、政治は金と無縁ではいられない。それが現実だ。

問題は、生きた金の使い方、国家や国民の安寧と未来創造のために金を使うということ。選ばれた人間としての使命に燃えるということ。

その純粋さがいかに大事かを、今回の一件は、改めて小沢ばかりでなく、鳩山を始め、民主党連立政権全体に感じさせたに違いない。かつての自民党の徹を踏むな。その教えをもらっている。

これだけのスキャンダラスな情報が流れながら、自民党支持率はまったく上昇していない。自民党も小沢問題だけが政治の課題でないことを、これを機会にもっと自覚すべきだ。

この国は、いつでも政権交代ができる二大政党の時代を拓かなくてならない。そのためには、新党結成でも、自民党の刷新でもいいから、自民党自体がこれまでの悪習やくだらない慣例から自由になり、民主党のように政策で勝負することだ。

個人の生活での自分を振り返る禊の時間が必要なように、この国の政治家も、節分を前に、改めて自分たちの政治家としてのあり方、考え方をふりかえったらどうだろう。

つまらない揚げ足とりや、テレビの報道バラエティのような軽薄さを生きるのではなく、地に足の付いた、生産的で、国民の糧となる議論をぜひしてもらいたい。

寒さの中、自分のまわりにいる、だれか一人の人のために、思いをはせられる国、社会、そして、自分でありたい。