秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

あなたのあなた自身への怒り

昨日、午後から衆議院議員会館へ。新館になって初。しかし、ま、立派な施設になったものだ。
 
民主党小沢グループで、佐賀選挙区の原口一博氏が会長に就任した「日本維新の会・Vデモクラッツ」の設立総会。それにFBで招待されていた。
 
今日、内閣不信任案が野党合同で提出されるその前夜に、この会。民主党以外にも、みんなの党自民党、地方議員、それにジャーナリストや維新の会支援者も参加し、200人は入る多目的ホールはほぼ満席。

 
意図して現政権の直接的な批判はさけ、政局のための集まりではないとはしていたものの、会の顧問が小沢の懐刀、山岡議員、会長代理が松野頼久、幹事長が川内博史となれば、どうしたって深読みされる。直接的ではないものの、総理交代は当然といった空気。発言も今日、明日の造反を予見させるものだった。
 
原口氏は震災から1週間もしないうちに、有志議員と被災地支援にあたっている。それを支えたのが、「日本維新の会」。基本的には地方議員、国会議員資格を有する人々の集まり。
 
その主張は、直接震災に関するものは第一に情報開示と放射能健康被害基準の見直し。とりわけ、子どもの20ミリデシベルという放射能基準の改定だ。

情報開示の願いの根底には、「地域主権の推進」というのがある。震災前からこの日本維新の会は設立を目指していた。そこでも地方自治の精神が根幹にあった。支持者に大阪の橋本知事など改革派が名を連ねているのを見てもその真意はわかる。
 
確かに。震災後、国の指示管理の中で地方自治体、地方行政が思うにまかせた動きができていない。復興支援金を渡すのに、瓦礫を撤去するのに、あれこれ手続きや指揮管理システムのチェックが必要…という状態。これでは震災復興の足がゆるむのは当然。被災した県、市町村に権限が委譲されれば進む作業も少なくない。

自分たちのことは自分たちでやる。責任と自立を促す上でも国に依存しない体質をつくらなくてはいけない。しかし、そのためには、自分たちで自由にできる金と手続きがなくていはどうしようもない…これは正論。
 
また、エネルギー問題の見直し。これを原口氏は「緑の分権の推進」と呼んでいる。
 
大規模一極集中の電力資源供給ではなく、自然エネルギーの開発を含め、地方に分散させるという考え方だ。地域でつくるエネルギー…その持続的な供給。
 
これは原口氏の言葉にはなかったが、とりあえず被災した瓦礫をつかったエネルギー供給の拠点を地方につくろうという考えにも展開できる。実は、オレのFB親友のひとりが検討している。
 
もうひとつが「光の道の推進」。インターネットによるネットワークに原口氏は総務大臣のときから熱心だった。原口氏自身、ツイッタ―もやるし、FBもやっている。こうしたITツールの未来の可能性と必然性をよく知っている。これは、オレ及び、同じFBの親友たちも同じ考えだ。
 
実際、震災直後、FBは何のストレスもなく、被災地の現地の情報を流せたし、東京の帰宅難民へのサポート情報も流し続けることができた。いま、オレがいわき市など地方と都市、地方と地方の生活者をこのFBによって目的意識を持って、直接結び付けようと考えているものとまったく同じ。

行政の縛りや硬直したシステムから自由に市民が連携し、連合する。その形をとるのにFBほど最適なツールはない。これができると、まさに市民が考え、市民が意見を直接交換し、かつ市民が行政や政治を動かすことができる。
 
原口氏は、これら3点を総じて、キーワードを「教育」においている。この視点はまさにこの20年。オレ、宮台真司尾木直樹斎藤環が提言し続けているものだ。社会を変えるための根幹に教育がある。
 
政治家、官僚、行政マン、市民、そのすべてに、この考えを当然とする教育がなくてはならない。言い換えれば、啓蒙といってもいいし、啓発活動といってもいい。
 
うちの姉が原口氏の選挙区で支持母体の現場責任者ということもあるが、本気で支持している理由がよくわかる。すべからく実に正しいし、本来、民主党が党を挙げて、取り組もうとしていた施策だ。

政局は明日から混乱するだろう。不信任案が可決された場合、内閣総辞職となり政権は小沢を中心としたそれに代わる。小沢の裁判はいまもうずぶずぶで無罪は間違いない。金を運んだとされていた運転手が証言をひっくり返した。

菅が解散権を行使すれば、衆議院議員選挙になる。国民は怒るだろう。民主党ばかりでなく、自公への批判も増す。自民党のねらい、小沢グループのねらいは、とりあえず、菅をおろし、政権を小沢に戻し、自民党民主党で二党連立をやることだろう。公明党はそこに割って入ることを画策している。
 
これにも国民は怒るだろう。しかし、そうでもしないとこの国はにっちもさっちもいかない…というところまできているのは事実。
 
内閣不信任案が否決されたとき、造反グループは新党をつくることが考えられる。みんなの党たちあがれ日本などいくつかの政党がこれと結びつくということも考えられる。しかし、自民との連立はそれでもできる。
 
しかし、この筋書き、表舞台の人間たちがやっているのではない…とオレは思う。読売グループの力も、創価学会の力も、財界の力も、連合の力も…表舞台に出ないいろいろな恣意があってのことだと思う。
 
これ、大戦前、近衛文麿が総理大臣をやっていたとき、軍部を抑えるためにつくられた大政翼賛会が出きたときの流によく似ている。しかし、大政翼賛会は近衛の思惑を越えて、軍部を支えるものに変容してしまった。
 
そうしないためには、国民がどれだけ怒りを持てるか、そして行動するかにかかっている。
 
自公政権を嫌い、民主党を選んだのも国民。民主党党首選で、菅を選ぶか小沢を選ぶかのときに、菅を選択したもの国民。そして、自分たちが選んだ民主党が現実路線になって、震災対応に追われている姿に嫌気がさしているのも国民…

つまり、いまの政局に怒ろうと、それを選んだのはあなたたちなのだ。政治家を政局しかみないようにしてしまったのも、あなたなのだ。そのあなたのあなた自身への怒りをあなたは、どう受け止めていくのか…
 
 
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