秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

わずか半分の意志表明

都議会議員選挙は、東京都の現実、国民の意識を象徴するような投票結果になった。

民主党が躍進することは、都民の多く、そして、国民の多くが予想していたことだと思う。

都議会の民主党選挙対策本部長は、オレのミニシンポにも登場してもらったこともある、鈴木寛参議院議員民主党の次の内閣の文科省大臣。実は、数ヶ月前、公設秘書から選挙協力の依頼メールがきていた。鈴木氏には悪かったが、もちろん、返信も、選挙協力の約束もしていない。

民主党は応援はするが、党員になったり、支援者に名を連ねる気はない。民主党を応援しているのは、バランスのとれた政治状況をつくるためだ。オレのねらいは、それ以上でも、以下でもない。議員に知り合いも多いが、民主党がおバカなことをやれば、自公独裁政権を批難するように、遠慮することはない。

国民のための政治をやらせるために、発言し、行動している、オレのこのスタンスは、常に自由にしておきたい。オレは、政治家は、国民がコントロールするものだと思っているし、安心させてはならないと心に決めている。政治家を導くのは、国民の側でなくてはならない。それが民主主義の本道だ。

総得票数の集計が朝刊に出るだろうが、民主党の得票数は、これまでにない歴史的なもになるだろう。6人区などのおかげで、自民党は辛くも40議席近い数字を残し、公明党も候補者全員を当選させているが、これがすべて小選挙区、あるいは比例区だったら、自公はもっと惨敗している。

公明党にいたっては、すべが、創価学会票だ。当選した公明党の議員たちは、区民のみなさんの支援のおかげ、などといっているが、あくまで創価学会の支援に過ぎない。つまり、都民がリードして公明党を都議会に送っているのではないのだ。学会の運動として、えらいさんに指示され、それに従い投票しているだけ。

オレが自公独裁政権だというのは、そこだ。小泉郵政選挙衆議院も地方選挙も大勝した後、一度も民意も問わず、利権や権益をほしいままにした自民党創価学会という一部の団体票だけに頼った公明党。その二つが連立して、長々と政権を担っている。それは、この国のごく一部の人間の意志しか反映されてない、偏った、自民党の利権や創価学会の利権だけが優先される政治なのだ。それで、国がよくなるわけも、国民の声が政治に反映されるわけもない。そここそ、独裁政権でなくてなんなのだ。

小泉が登場したときから、オレも、オレの周辺の識者も同じことをいっていたが、おバカな国民は、この独裁政権を一旦は承認した。それどころか、拍手喝采した。ようやく、オレたちが、当時からいっていた、この政権の詭弁が、この社会状況、経済状況の中で見えてきたらしい。投票率のアップがそれを示している。

が、しかし、それでも、まだ60%にも届かない。都民の半分の意志しか反映されていない。

これだけの辛酸を嘗めさせられながら、まだ、この国の政治を変えようという気にならない都民がいる。おそらくは、次の選挙でもそうだろう。からくも期待ができるのは、東京ほど地方はのんびりしていられないというのがある。投票結果はどうあれ、まず、自分たちの生活をよくみつめ、こうした苦難や試練を生んでいるものが何かを見定め、投票へ行くことだ。自分の意志を明確に政治に反映させることだ。

宮崎県知事や大阪府知事などのポピュリズムを利用した政治ではなく、自分の意志を持った政治行動を行うことだ。

それをしない愚かなことをやっているから、一部の利権にしがみつく連中に、この国を好きにさせている。その結果、自分の子どもや家族、親たちに生活し辛い社会をつくっているのだ。

民主主義とは、国民が主役なのだ。政治家は、どこかの先生や団体の指示や長年世話になっている人間のしがらみで選ぶのではない。テレビに出ているから、威勢のいいことをいうから、選ぶのではない。政治家は、国民がコントロールできるように、国民の側が選ぶのだ。マスコミや団体に、選ばされるのではない。

それをしない限り、この国に未来はない。この国の繁栄もない。自分の暮らしだけがよければいいではなく、いまがよければいいではなく、10年先、20年先、自分たちの後輩や子どもたちが、この国に生まれてよかったという国をつくるために、発言し、行動するのだ。外国の人々から、素晴らしい国と尊敬させる民主主義を実現できる国にするのだ。

そのためには、まず、投票し、この国の政治と未来に、国民一人ひとりが、しっかりとした責任を持つことだ。