秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

チェ・ゲバラ

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雪でも降るのではないかしら。と思った、昨夜。

行き着けの歯科医院で定例の歯のお掃除をしてもらった帰り、久々に映画に行ってきました。

話題の『チェ28歳の革命』です。

高校時代、『いちご白書』というコロンビア大学の学生紛争を描いた映画があり、その中で、政治にも、

ベトナム反戦運動にも何の関心もなかった一人の青年が、仲間と議論したり、女の子と恋に落ちたりして

行く過程で、目覚め、ある日、チェ・ゲバラのプリントされた幕をアパートメントの窓からたらすという

シーンがありました。ぼくらが10代の頃、ゲバラはスターだったのです。

彼がわずか28歳でキューバ革命カストロとともに実現し、それでいながら、キューバに留まらず、世界

革命を目指して、紛争国に赴き、ついにはボリビアで39歳という若さで処刑された、その人生の激しさ、

熱情、そしてロマンに、当時、多くの若者が魅了されていたのです。

ただ、この映画を観て、いまの若い連中は何を感じるのだろうと疑問にも思いました。

いま、パレスチナイスラエルが理不尽な攻撃を続けています。9.11もアラブ諸国イスラエルへの不満

とそれを支援しているアメリカへの怒りが原因となっておきたのですが、要は、アメリカの覇権主義に対

する初めての抵抗、初の人民戦線の勝利、それが、キューバにおける革命であり、ゲバラが目指した世界

革命なのです。

どのような国であろうと、世界を仕切る覇権主義は、仕切られた国々の人々に怒りと憎悪を植え付けま

す。パレスチナ人を女性、高齢者、子ども、病人みさかいなく殺傷する兵器を、ガザ地区という狭いエリ

アで使い、国際的な非難を受けても、「ハマスが悪い」「こちらもたくさん殺されている」などと平気で

嘘をつき、居直っているイスラエルの姿は、ゲバラが戦った独裁政権とうり二つです。

この映画を観て、そのことに気づいてくれる若い観客がいてくれれば、そう願います。

しばらく、いい映画がありませんでしたが、今期はいい映画が続きます。

洋画では、「数奇な人生」。邦画では、「誰も守ってくれない」。

邦画の方には、私の作品によく出てもらっている、東俳の飯嶋耕大くんが沙織(志田未来)の兄役で出演

しています。