秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

新年のごあいさつ

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乃木坂界隈には、25年以上やっている店が数店あります。

その中でも、地元の生き字引のような店が地酒の店「ハンナ」。

日本酒しか置いていないのに、日本酒の飲めない、飛び込みの若い女性や男性グループが、その店構えか

ら、ありがちな居酒屋ぐらいに思って、暖簾をくぐってしまいます。

70過ぎのママがひとりでやっているのですが、そういう客には、すぐに一言。

「うちは、ビールありませんよ!」。

そこで、場違いな客は、ハトが豆鉄砲をくらったように、きょとんとなり、そそくさと帰っていくので

す。

のんべなら、店の前に大きくかかれた「地酒の店」に眼がとまり、すぐに日本酒の専門店なのだとわかる

のですが、昨今は、そうした専門店を見慣れていない連中が多く、ふらりと入ってきてしまうのです。

もともとは、乃木坂で最初にできた喫茶店

当時は、日活の本社ビルがあり、ちょっときどった連中のたまり場になっていた店です。

ランチをやり、夜はスナックをやって、バブル期には大変な賑わいだったようですが、あるきっかけから

本格的な日本酒専門店に衣替えし、いまでは、ママが健康管理のためにやっているような、欲のない店で

す。

つまみは、大皿に盛られた、ママお手製の家庭料理。肉じゃがやナスの煮浸し、いわしの煮付け、ほうれ

ん草のおひたし、コロッケ、鳥のから揚げ、春巻きといった具体。

本醸造の酒ならデカンタで一本に、付き出し1品、おつまみが2品で、2500円ぽっきり。

デカンタ一本で結構ほろよいになります。

ほとんど客がいないのですが、時として満席状態のときも。

しかし、ママひとりでやっており、三つ以上のオーダーは聞き取れないので、すべてはママのペース。

オーダーが一段落すると、よくママはコンロの近くの椅子に座り、うとうと寝入っています。

それも常連さんたちは心得ていて、オーダーを頼むときは、「せっかく、お休みのところ、すみません

が…」といった調子。

客がほとんどいないので、たまに立ち寄ると、ママと日本の政治や昨今の犯罪などについて、あれこれ

語り合います。

精神科医斎藤環社会学者の宮台真司らも、一度、来たことがある店。

乃木坂に来てから、すぐにみつけた店で、わたしも、もう10年以上になります。

わたしのお気に入りは、長野の真澄という酒。キレがよく、かつほどよく日本酒独特のくせもある銘酒。

以前、蓼科で仕事をしていたときに、地元の方に進められ、以来、やみつきになっています。

昨日は、新年のあいさつに、まず、このハンナにおじゃま。

その後は、やはり、コレドへ。