秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

その限りを広げてくれるかもしれない

このところ、珍しくハンナに大勢で顔を出している。だが、なぜかその日に限って、ハンナのばばあと乃木坂高齢者ネットワークで地域連携しているw 乃木坂長寿庵の大女将と遭遇してしまう。共に80歳(くらいw)。

実は、この二人とは、個別に昼間、乃木坂界隈の道でよく会うのだ。

長寿庵はラストオーダーが9時。9時半には片付けに入る。当然ながら、オレたちの会合が9時に終わり、ハンナになだれ込むのが9時半前後だから、仕事終りに長寿庵の大女将がハンナにいて不思議はない。
 
そもそも二人とも、超お嬢さん育ち。それでいながら、あれこれあって、飲食業を近場でやっている。当然ながら、世代も近いから、話し相手としてこれ以上の友はいない。共に、地域で歳を重ね、老いを迎えた二人。大女将にすれば、ほっとする仕事あとの時間なのだ。なにせ、ハンナは客のいない日がほとんどw ゆっくりできる。

が、しかし。あれこれお世話にもなっているし、実に気遣いをしてもらっている長寿庵を置いて、ばばあの店に大勢できているのは、どこか気が引けるのだ。

ばばあは、ばばあで何もいわないが…長寿庵の若(本店から数えて、直系三代目)が調理をするようになって、オレがその味にすっかりファンになり、ひとり酒をするにしても、長寿庵にいき、かつ、その足でばばあの店に顔を出したりするものだから、なんとなく気にしている風があるw

長寿庵は、機会があれば、なんとか仲間を誘って大挙していきたいのだが、なにせ早い時間でないと楽しめない。あちらを立てれば、こちらが立たず。兎角にこの世は難しいw

お二人とも高齢だし、オレもいい歳になってきたし、いつまでも現世で触れ合える時間もないだろうから…と思うと、ふとそうしたことが気になり出すようになる。

若い頃は午前3時までやっているような店や遠方のうまい店を求めて、仕事の客や仲間、あるいはおねぇちゃんといくのが当たり前だった。だが、もう、そうしたエネルギーはない。

あるのかもしれないが、それより、もっと違うところに残された時間と力を注ぎたい…と考えるようになる。酒席や飲食をただ楽しむだけの時間はもったいないと思うようになる。それではいけないのかもしれないが、残された時間が次第に少なくなっているのだから、それも仕方ないだろう。

ということで、今日は誕生日。FBには大勢の方からお祝いのメッセージをいただいた。SNSのすばらしさ。コメントをもらわなくとも、じっとオレの書き込みやウォール、そして、MOVEの活動やオレの仕事をみつめてくださっている。

こうしたつながりを大事にしながら、自分に残された時間と力を大切に使いたい。

人にできることには限りがある。だが、多くの人が集まれば、その限りを少しだけ広げることができる。また、そのときできなくても、その思いのバトンをなにがしか、受け取った人は、次の時代、次の時間の中で、その限りを広げてくれるかもしれない。

ハンナのばばあも、大女将も、きっとそんな思いでいまを生きているに違いない。

励ましと温かなメッセージ。ありがとうございました。