秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

何も新しいものは生み出せはなしない

8月23日、午後6時から、いわきのいわき産業創造館企画展示ホールで、Smart City FUKUSIMA MOVEの発表会とミニシンポ、それに映画『誇り』の無料上映をやる。
 
会津若松市では、すでに4月にITセミナーの実施にあわせて、映画『誇り』の無料上映をやっているが、福島県内で唯一、正会員メンバーが15名もいる、いわきでまだ上映していなかった。
 
実は、Smart Cityの第一次完成のプレス発表に合わせて、いわきで上映会をやろうと決めていたのだ。
 
東京でも視聴したいという声が多い。いわきのつぎは、東京でのプレス発表と無料上映を考えている。
 
その後援依頼と手続き連絡や集客へ向けたチラシ制作とその配布、さらには、同時期にいわきMOVEの発足と発表もやる。その段取り作業と調整作業で、来週月曜日に、また、いわきへ。チラシができた後、また配布や告知の依頼で再訪しなくてはいけないだろう。

その間に、ずいぶん休んでいた、Hanajuku花塾の夏期集中ワークショップをやる。きちんとした教育を受けていない俳優志望の奴や教育は受けているが、それが結果に結びついていない連中と出会うと、どうしても、きちんとしたことを教えたくなる。

夢や願いを持って、いまを凌ぎ、それでいながら、きちんとした演技の指導もないまま、都合のいいように、便利に使われ、結局は、何の実績も、何の現実も手に入れられないまま、捨てられるようにこの世界から消えていく奴は少なくない。
 
もちろん、本人の能力や天分の力、そして、精進しか、道を拓くことはできないが、ありきたりな、わかったような演技指導を、芝居も演出もわかっていない、オレから見れば素人同然の連中にされ、振り回されて終わるのは気の毒としかいいようがない。

これは芝居や映画に限ったことではない。いわゆるクリエイティブな世界にいて、さした能力や実力もなく、人を指導したり、教えたりしている人間は少なくない。多少の経験があれば、仕事の質を問われる場でなければ、クリエイター気取りでもいられる。

二流三流の教育しか受けていないものに、一流の指導はできない。せいぜい、素人同然の人たちから、いいね、といわれて、それで仕事がてきていると錯覚している。

中途半端な仕事でよしとされていることは問題だが、それを必要とする市場があるから始末が悪い。つまり、きちんと質のある仕事をしている人間は、その時間のゆとりがないから、俳優にせよ、なんにせよ、クリエイターを育てる人がいない。結果、選別された人間しか、いい教育を受けられないということが起きている。
 
実力と運の世界だからといってしまえば、それまでだが、それで人を切り捨てるような世界で、果たして、人の心を動かす作品づくりができるものだろうか…とオレは思ってしまう。

万全を尽くしてダメだったら、ダメといえるが、何ひとつ本物を教えないで、切り捨てるのは人の道に反する。
 
福島の事業をやっていても、最近とみに感じている。復興や地域の再生…そこには、政治でも、行政でも、あるいはビジネスでも、いまはクリエイターこそ必要だ。だが、どこを見回しても、それができているクリエイターはひとりもいない。
 
足し算引き算と掛け算と割り算をやるだけの人間ばかりでは、何も新しいものは生み出せはしない。