秀嶋賢人のはてなブログ

映画監督・NPO法人SocialNetProjectMOVE理事長

昼行燈ミス

人には、忘れてしまいたい事情や約束ができてしまうことがある。

漱石の「草枕」の有名な一節にあるように、智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。兎角にこの世は難しい…からだ。

そうしたときは、約束の時間に遅れて登場する、あるいは、からみつくような事情には、黙して、静観する…というのが一番いい。ああ、あの人は当てにできない、のれんに腕押しと思われ、約束事はこの人としない方がいいと、こちらから願わなくても、相手の方から、からみくつ事情や都合からはずしてくれる。

以前は、いちいち律儀に事情や約束に対峙し、智も情もからめながら、どうその場をしのぐかを正面から受け止めていたが、結局は理が立ちすぎて、周囲を不愉快にさせたり、情に流されて、これまた面倒なことを引き受けてしまったりしていた。

ゆっくりフェドアウト…。あてにならない昼行燈…というのが時には大人の知恵だし、作法という場合もある。

基本、オレのようないい加減な人間の場合、内発の強い動機付けや何かがないと、人前にしゃしゃりでることはしない。また、音頭をとって、何事かを束ねようともしない。

いわば、動くときには、自分なりのルール、作法や流儀があり、それを使う場でなくては自分がやる意味を感じない。また、それがやるとなるとそれなりの時間と労力を注がなくてはできないことなのだ。だから、そうした時間や労力をかけるに値する、社会的なことで、かつ、これまでになかったことでないと意欲が沸かない。

つまり、平時の管理運営というのは向かない。道を拓く最初のところだけあれば、それでいい。乱や変には向いているが、安定した平時には向かない人間なのだ。安定した平時でありたい場や安定した平時のままでいいという場には、だから、昼行燈のまま、ゆっくりフェイドアウト

のはずだった、東京高校同窓会。同じ手をつかったのだが、1時間半遅れて到着してみると、すっと昨年の代表幹事の方がつくったファイルを渡される…おいおい。

知らないぞ。人選ミスだぞ。思うほど、ちゃんとしてないぞ。忙しいぜ。燃えているのは福島のことだぞ。…と心は巡るが、後の祭り。

ま、優秀な一級下の後輩諸君にがんばってもらおうw